日々是Is'+ (アイズプラス代表 池照ブログ)

Is'+の視点による人事、キャリア、その他もろもろについての徒然 ver.1

偶然をしかけて楽しむ ~計画された偶発性理論~

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GW後半は晴天に恵まれた鎌倉エリア。稲村ケ崎からの景色は出会えるだけで「恵」を感じられます!




私のキャリア感の軸となっている
「計画された偶発性:Planned Happentance Theory」
の提唱者であるスタンフォード大学
ジョン・D・クランボルツ教授が亡くなりました。 
10年以上前に来日された際、一度お話をうかがいにいったこと
があります。とてもお元気そうで、笑顔が印象的な先生でした。
https://www.ncda.org/aws/NCDA/pt/sd/news_article/230713/_PARENT/layout_details/false

20世紀末に提唱されたこの考え方は、
・個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される
・その偶発的なことを意図的に作り出していくことで自らのキャリアを
 つくっていくべき

といういもので、それまでキャリアを創るには、
キャリアゴールを設定し、そこに到達できるように
経験や能力開発を積み上げ、つくりあげていくものという
考えが主流だった世界からの大きな転換でした。

教授らの調査によると、
18歳の時になりたいと思っていた職業についている
一般的なアメリカ人は、全体の2%に過ぎず、また、
社会でいわゆる「成功」とされるキャリアを歩んで
きた方々に対する調査では「自分の現在のキャリアは
偶然によるもの」と答えた方が全体の80%に上りました。

では、キャリアの8割が偶然の出来事によって左右され、
自分でも予想もしないことに興味がわいたり、急に学ぼう
と思ったり、思いもよらないことからきっかけがつながったり
するなら、この「偶然」をどう扱っていったらよいか。
それならこの「機会」を増やし、自身のキャリア形成に
取り込んでしまうことで「自分のありたいキャリアをつくる」
ことに近づけていこう!というとてもポジティブで楽観的な
考え方であり視点なのです。

そして教授はこの機会をしかけてつくるために、
この5つポイントを磨くことが重要と説いています。

  1. 好奇心:たえず新しい学習の機会を模索し続けること
  2. 持続性:失敗に屈せず、努力し続けること
  3. 楽観性:新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
  4. 柔軟性:こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
  5. 冒険心:結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと


10年以上前に講演会にうかがった際、
会場からの「もう少し楽をしてお金を稼ぎたいと思っているが
どうしたらいいか?」のような質問に、先生は
「宝くじにあたりたいと思っている? なら、まず
宝くじを買いにいきなさい。どんな場所で買えば当たるか、
当たったらどんな風に暮らしていこうかを夢を見て、
楽観的な気持ちをもっていろいろ試してみなさい。
そして継続してみることだよ」って笑顔で答えていらして
何だか当たり前といえば当たり前、ですが、会場から
笑いが起こり、周囲の方と「買いにいかなきゃね」なんて
話をしたことを覚えています。

”手に入れたいと願うなら行動しなさい、
 機会はそのために何かしている人がつかむもの”

私にはそんな風に聞こえたメッセージでした。
それ以来、「偶然をしかけて楽しむ」を
私自身もキャリアの考えにとりいれています。~

私が提供させていただいているキャリア/リーダーシップ
セミナーでも理論紹介の際には必ず紹介します。
また、この5つの考え方全てが
EQ(感情知性)開発の項目に含まれているのです。
EQの開発=計画された偶発性を高めるになっているのです。

セミナーの冒頭で明確なゴールや目指す姿が描ききれない
場合でも、この理論に共感する多くの方々がこの5つのポイント
を中心に開発をスタートさせ、ポジティブなキャリアへの
転換を実現しています。 

先生のご逝去は悲しい知らせではありますが、
先生のこの考え方と出会えたおかげで、それまで
固定的にキャリアに捉えがちだったものが変わりました。
何よりまず、5つのポイントを少しだけでも意識する
ことで仕事だけでなく人生そのものに起こる全てが
「機会」と捉えられるようになったものです。

来週も某企業でキャリア&リーダーシップを
お話してきます。先生の理論も紹介しながら。

感謝と御礼を込めて。

 

その幸運は偶然ではないんです!

その幸運は偶然ではないんです!

 

 
【直近のお知らせなど】
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 「鎌倉でのワークショップってどんな風にできる?」
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    企業研修やイベントの企画担当の方、
    そしてEQ(感情知性)に興味のある方 
    鎌倉でのワークショップをご検討の方、などです。
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 次回開催 8/8分もすでにお申込みがスタートしております。
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 ご参考ください⇒ https://is-plus.jp/archives/4464

会社設立14年目を迎えました! 感謝とどうやって営業してるの?編

明日から令和~とTVが連呼する中ですが、
平成最後のゴールデンウィーク2日目の朝を
迎えました。
今日は午後から友人たちが鎌倉を訪ねてきますので
今の内に体力を温存しています。何せ、GW中の鎌倉は
ものすごい数の観光客で、観光地は前に進むのも精一杯な
状況です。お昼にしらす丼食べるのに1時間以上並ぶなんて
ザラですから。。。
鎌倉は休日と平日の観光客数にあまりにも差のある町で、
多くの観光客向けの店は土日・祝日のみの営業のところも
多くあります。観光客がターゲットであれば、この方が
効率が良いということです。

営業、という文脈であれば、私が独立してから2番目に
多く聞かれる質問が「営業」についてです。
「どうやって営業しているんですか?」です。
自分なりにもこれまでの13年を振り返り、私がどうやって
10年以上ICとして仕事をしているかをお伝えします。

■営業はしない、貢献する
営業=営利を目的として業務を行うこと です。
この意味で言えば、私自身は営業はしていないに等しい
ということになります。

開業して最初の5年ほどは完全に人事制度設計や
タレントマネジメント、採用関係のコンサルティングだけを
実施しおり、この5年でご一緒した約30組織は全て
会社員時代の上司や同僚からの紹介案件です。
その後はEQやリーダーシッププログラムや研修講師、
コーチングなども実施していますが、これらは
常駐してコンサルティングしている企業でスタート
したものを成功事例として話をしているうちに
外部に伝わり声がかかるようになったもの。
そのうち、外部研修会社から依頼がくるようになり
現在は研修会社さん数社とパートナーシップを
組んで彼らが実質的な営業の役割をしてくださっています。

自分の軸としては、私自身が
 ・課題解決に貢献できるかどうか、
 ・未来の姿を一緒に創ることに貢献できるかどうか、
 ・関わる方々のワクワクに貢献できるかどうか、、、だけを
つまり、私の力で、または私が力を出して周囲を
巻きこむことで貢献できるか、だけです。

マネタイズすることなしで
営業に結びつかないこともあります。
そしてこの「貢献」だけを考えていると
NPO活動の支援など、まったくマネタイズしないことも
あります。それが分かっていてそこに貢献価値があれば
それも積極的に挑戦します。
その反対に、何かのために力をつくす=貢献
だけを考えているからこそ、当初の予定よりも仕事の幅
が広がり大きな挑戦になることも多くあります。
ここまでの仕事をやってほしいという限定された
受注の幅にとどまらず、「貢献」をキーワードにする
ことで「こんなこともできる、こんな可能性もある、
こんな広がりも挑戦できる」という話が広がる
からです。事実、私自身はこのスタンスが仕事が
広がり、継続するキーになったと確信しています。

■プロジェクト化する
2つの目のキーポイントは、仕事をプロジェクト化して
相手がお願いしやすい単位にする、です。
私が担当する仕事は企業の人事部や経営企画部
などいわゆる管理部門の仕事が多く、ほとんどが
切れ間なく対応、切れ間なく仕事がある状態です。
ですが、外の力を借りたい仕事はたくさん
あるのです。多くの企業の方が、
「手伝ってほしいこといっぱい!」と言いながら、
「でも今は整理がついてない」と同時におっしゃいます。
営業やマーケティングなど外でお金を創り出す
仕事を裏で支えるバックオフィス系の仕事は、
「切り出し」が結構難しいのです。
で、だからこそICなどの出番です。
私たち自身が仕事を見える化し、プロジェクト化
して提案し、クライアントが「お願いしやすい単位」
にすればいいのです。

これには、しっかりと時間をとったヒアリング
がとても大切です。なぜならクライアントが提示する
「課題」は多くのケースで本当に解決したい課題で
ないことも多いからです。

そして、私の場合は長期のプロジェクトの際は
先に暫定的なな提案をした後にプロジェクトが
スタートしてからの1-2ケ月をじっくりと
ヒアリングの時間にいただくこともあります。
この間に社内外の関係者からじっくりお話をうかがい、
再度課題設定や提案の内容を見直したりしていくのです。

またプロジェクト自体も成果を段階的に区切る、
または、
時系列単位で区切るなどの工夫をしたりもします。

ともに求める成果をイメージしやすくする、
これが一緒にやろうと決断いただく、一つの工夫だと
確信しています。


■やりたいことを人に伝える 
そして、3つ目のポイントは「伝える」です。
「買ってください!」という営業活動はしませんが、
人と会う際には、2つのことを伝えるようにしています。
1つ目は
 現在どんな仕事に取り組んでいるか、を伝える。
2つ目は、
 今後どんな仕事に取組みたいか、を伝える。
です。

今していることを話すことで自分自身の仕事の整理となり、
これからやりたい仕事を伝えることでアイディアや知恵、
そしてアドバイスをいただきます。
私にとっては周囲の方はみな「何かの達人」なのです。
ICの仕事は上司がいません、当たり前ですが
目標設定してそれを進捗確認されることも、
キャリア面談をされることもありません。
だれかとお会いしてこれらを話すことは、私にとって
とても大切な時間、そしてこの話が次の挑戦に、そして
協働する仲間や巻き込むメンバーを増やすことに
つながっています。

事実、弊社で働くメンバーのうち8割は
クライアント(お客様)からの紹介です。
弊社の新規案件の8割は私の会社員時代の同僚、
そして以前のクライアントからの紹介です。 


ICやフリーランスとして仕事をしたい!という方から
毎月のようにご相談をいただきます。
副業や兼業が加速的にオープンになっている今、相談数も
加速的に増えています。
開業はどなたでもすぐにできます。
大切なのはどんなスタンス(姿勢や向き合い方)をもって
仕事や周囲に向き合うかだと思っています。

で、現在ですが
私が貢献できるのは企業の「人事」という枠を超え、
「感情」をキーワードに人と人、人と企業、人と事業を
つないで新しいことをつくることができます。

新しいことをプロジェクトとして位置づけ、
目的を描き、メンバーを募り、タイムラインを設定
して周囲を巻きこむことができます。
(ここにはニコワーク®を使っています⇒これは後日紹介)

そして、こんな取り組みと、ここからどう広げて
いきたいか、これを毎日だれかに話をしてワクワクしています。

どうやって仕事を続けるか? 
ICやフリーランスにとっては大きな課題です。
次回は、次に質問の多い
「エージェントとの付き合い方」などについても
ご紹介します。

皆さま、よい令和をお迎えください♪ 

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18年ぶりに陶芸に挑戦しました。「やりたい」と話したら素晴らしい体験の場を紹介いただきました!これも「伝える」効果ですね。







 

会社設立14年目を迎えました! 感謝とどうやって仕事してるの?編

何だかドタバタとしていたら、
会社設立14年目が過ぎてました!
14年目を迎えるこの時期に、
記念日を忘れられるほどの夢中になれる
仕事や活動に恵まれていることに
あらためて感謝しています。

先日知り合った方に
「どんな風に仕事をしているんですか?」と
あらためて聞かれ、話をしていた内容をちょっと
弊社のご紹介として一部公開します。

■IC(インディペンデントコントラクター)って何?
ICとは、“期限付きで専門性の高い仕事”を請け負い、
雇用契約ではなく業務単位の請負契約を“複数の企業”と
結んで活動する“独立・自立した個人”ことで、
”雇わない・雇われない”がスローガンです。
私自身、自分がこの働き方をスタートしてからこのような
働き方があることを知り、友人から紹介されてIC協会
に入らせてもらいました。もちろん、協会に入らないと活動が
できない訳ではありません。IC協会はこの働き方を啓蒙活動
することがメインの活動であり、現在私はこの協会の理事を
務めています。会員は全国に130名ほど、男女比は約8:2
くらいでしょうか。

一人で全てをマネジメントしている人もいれば、
私のように組織体をつくって活動しているICもいます。
私のクライアントからは、「池照さんは、「会社」でなく
「案件(仕事)にコミットするエージェント」ですね」と
評していただいたことがあり、これが妙に納得のご説明でした。
これら案件に対し、時に一人で、時にチームを組んで
向かったりしている仕事の仕方です。

インディペンデントコントラクター協会

特定非営利活動法人インディペンデント・コントラクター協会 | Independent Contractor



■アイズプラスはどうなってるの?
起業から5年くらいまでは完全に一人で回してましたよ。
クライアントとの交渉も、コンサルティングも、
そして経理も、輪ゴム買うのも全部自分でやります。
5年目を過ぎたあたりから私のやりたいことに共感して
いただくエージェント(研修会社や外部のICなど)との
協働プロジェクトを増やしています。現在は
アイズプラスのエージェントとして活動する方々はのべ
12名ほどいらっしゃいますが、全員がICとして契約
しています。

これは、弊社の事務担当、EQなどの検査を配信する担当、
EQなどのトレーナー、ライターなど全てです。全員が
プロフェッショナルとして契約をさせていただいています。
本来はパートとかでもいいんですが、きっと私の元に
集まる方はICという働き方に興味を持たれるのでしょう。
結果的に全員がこの働き方を選択しています。 

プロジェクトがスタートすると、私がプロジェクトの
全体像を描き、そこにそれぞれ役割として入って
いただきます。これを私は、IC型の働き方として
「池照とゆかいな仲間達型プロジェクト」と勝手に
呼んでいます。もちろん、私が誰かの愉快な
仲間達になることもあります。
”わくわくするプロうジェクトを起こして周囲を巻きこむ”
 &
”誰かの面白いプロジェクトに前のめりに加担する!”
これがICの働き方の醍醐味だと思っています。

という訳で、私自身が起こしているプロジェクト数はすでに10を
超えています。巻き込まれている人も、、、いっぱいです。


■みんなどうやって働いてるの?
基本的に全員に出社義務はなく、全員がリモートです。
昨年から鎌倉駅前のシェアオフィスをメインとし、その他
もともとオフィスを借りていた東京品川のオフィスも
使用しています。日々の連絡は Slack やメッセンジャー
メールなどを活用し、また定期的にTV会議、そして
できるだけ時間を合わせてリアルに会う機会を
つくっています。

以前のブログで、その働き方などを紹介していますので
ご参考ください⇒

 

isplus1.hatenablog.com

 

・・・・・
14年目を迎えたアイズプラスは、
現在様々なプロジェクトに挑戦しています。

ダイバーシティ施策の戦略立案&浸透プロジェクト、
グローバル企業での企業内教育機関のプロジェクトリーディング、
日系企業での人事制度改定プロジェクト、
日系企業向けリーダー育成長期プロジェクトリーディング、
外資系企業での上司力向上に向けたプロジェクトリード、
・・・
その他アイズプラスが独自に起こしたプロジェクトもあります。

次回はこのようなプロジェクトをどのように
マネジメントしているかについてもご紹介していきます。

14年前、この働き方があまり認知されていないころ、
「そんな変な働き方やめてさっさと正社員で働いたら」と
いうアドバイスを受け、
「3年くらい続けられたらいいのかも」と思っていたことも
事実です。でも、やればやるほど、一つひとつの案件に
向き合えば向き合うほど、まだまだ自分にはやれることが
あって、そして自分もまだまだ成長の過程であることを
知るんです。長期的なキャリア展望をしっかりもっている
訳ではありません。ただ、思い描く「つくりたい世界」はあります。
このつくりたい世界の画を仲間と共有できて、
進められている14年目に心から感謝しています。

ありがとうxありがとう の14年目なのです✨


☟設立時に皆さんに送ったハガキが出てきました。
「会社設立」に関する本を数冊読みながら
手探りで会社をつくり、お声がけいただいた
1社からのプロジェクトがスタートしたばかりでした。

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3日間勉強して認定していただきました!

クライアントの皆さんが新卒入社式対応などで
忙しいこの3日間、東京で咲きほこる桜を横目にしながら
実はみーっちり勉強し、認定していただきました🌸

 

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Korn Ferry Leadership Architect 
 https://www.kornferry.com/solutions/products/hr-certification-korn-ferry-leadership-architect
Korn Ferry 360 Assessment 
https://www.kornferry.com/solutions/products/hr-certification-kornferry-360

コーンフェリーインターナショナルといえば、
私が事業会社で採用担当だった時代は世界最大の
ヘッドハンティングファームの一つで、企業のトップや
トップマネジメントクラスの方々の採用をご一緒させて
いただいたものです。
あれから数十年、現在コーンフェリーはこの分野に加えて
リーダーシップ開発事業をM&Aで組織として加え、
人材の雇用や採用を含むリーダーシップ開発事業を強化しています。

このリーダーシップ開発の中でキーとなるのが
コンピテンシーモデルと360度調査です。
コンピテンシーとは、好業績者に共通してみられる思考と
行動特性のこと、つまり「できる社員がどんなことを考えて
行動しているか」ということです。
これを特定の企業や職種、職位など毎に整理して示した
モデルとしてリストしているものがコンピテンシーモデルです。 

今回私が学んだのは、世界10万人を超えるワールドクラスの
データと調査研究に基づくコンピテンシーモデルの全体構造
の理解とその使い方です。
そして、このコンピテンシーをベースとして能力開発に
つなげるものが360度調査です。360度調査は、組織の中で
対象者に対し、上司、部下、同僚など立場や関係性の異なる
複数の観察者が対象者について多面的に評価・
フィードバックをする人材開発の手法です。
今回の認定は、コーンフェリーの360度調査の認定コーチ
としてのものでもありました。認定の目的は対象となる
個人に対し、その方の能力開発を目的に、または特定部門の
組織開発へこの調査結果を伝え、
「どうしたらもっと良くなるか」
「どうやって目的・目標を達成していくか」を一緒に
考え、コーチングを提供していくことです。


また、このコンピテンシーをベースの調査はEQ(感情知性)
とも強いつながりがあります。
 自己認知、
 リーダーシップの発揮、
 人と人との関係の質の向上、
 折衝や衝突への関与、
 信頼構築、・・・ などなど、
やはりEQとハイパフォーマンスの関係、
EQとリーダーシップやチーム作りの関係は切っても
切れないということが、あらためて理解できました。
 

今回あらためて気づいたことの一部(自身の忘備録として):

  • 確かにグローバル企業の人材開発でよーく使われれるコンピテンシーですが、このような難しい言葉でなくても、「何がここで働く人をわくわくさせるのか?」「どんな工夫をしていたのか?」という相互の問いかけによってそれぞれの力の源泉を明確にしていくことって大事。経営や事業をつくる「人」の共通言語になるのですから。
  • そしてもう一つ、事業の計画が計画通り予定調和でなくなり、チームのメンバーがより多様になるこれからの時代、このような定義や項目は定期的にアップデートすることが必要です。


今回認定をいただき、弊社のクライアントであるグローバル企業
はもちろんですが、それ以外の地元で頑張る中小企業や小さな
組織に対してもこの考え方をもって「人」と「事業」を強くする
ことににさらに貢献を加速していくことを決めました。

 

コンピテンシーは「好業績者の行動特性」ということから、
実は、外資系の事業会社で仕事をしていたころ、
それぞれの会社の「コンピテンシーディクショナリー」
の作成プロジェクトを経験しています。そのころは、あまり
好きになれなかった。好業績な人の行動特性を真似れば、
「みんな好業績者になるよね」というトーンは、
金太郎飴をつくるような気がしてとっても違和感があったのです。

日本の社員はとてもまじめな人が多く、
いくら「例」といっても、それを目指し、超えようとする人が
ほとんどですから。

でもこれも伝え方といかし方次第ということも、
今回あらためて学べました。
コンピテンシーや基準を一つのマネキンモデルとしてとらえ、
「自分ならどんな風に着こなすか」
「自分ならどんな風に見せるか」
「自分ならどんなキャラでいくか」そんな工夫を
加えていくことが、「らしさ」を表すことなんですね。

弊社では現在、EQをベースに
EQEC(EQエグゼクティブコーチング)を提供しており、
ご好評いただいております。
EQをベースにするコーチングは、感情にぐっと入り込み
振り返るので、より自他への影響力が高くなりますから!

今後は、より事業の成功に直結するコンピテンシー
調査を取り入れ、さらに
「ありたい・なりたい・伝えたい人と組織」に貢献
できるようにして参ります!

ご一緒いただいた皆様、コーンフェリーの皆様、
ありがとうございましたー! 


講師の先生方と、認定講座ご一緒した株式会社Funleash代表の志水さんと↓

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自分の機嫌は自分でとる 

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お陰様で、日経ビジネススクール
【女性リーダーのための「周囲を巻きこむ」
コミュニケーションスキル】2019年3/28が終了しました。
今回もほぼ満席の状態でクラスを迎え、
丸の内オアゾの会場は最初から熱気にあふれました!

当日ご参加いただいた女性リーダーの方々は、
企業の部長職、行政、学校関係、そして経営者と多様な
お仕事につかれる方々ばかり、数名をみっちり
マネジメントする方から、50名近くをマネジメント
する方まで、皆さんが各現場で「周囲を巻きこむ」
コミュニケーションについて真剣に向き合う方々
ばかりでした。

終了した後に、一人の方がとても印象的なコメント
をいただきました。

「今日のセミナーに参加してハッとしました。
『自分の機嫌は自分でとる』そんなことを考えも
していなくて、これまでの自分を振り返っては
恥ずかしい思いになりました。」 

私がEQ(感情知性)を学び始めた時と同じ感想です。
セミナーの中で紹介する心内知性(自分の感情や気持ち
を自身で捉え、関心を向けること)の演習では、
自分自身の心身の健康状態について振り返り、
グループでシェアしていきます。

”心身の健康”とは精神的、身体的な健康状態のことで、
 心:Feelingの状態、
 身:Energyの状態 
を自身で把握し、
 チームメンバーや周囲の方々の状態に配慮し、
 成果を出すための行動を考えてみるものです。 

最近ではWell-being とも呼ばれ、働く個人、組織の
Well-beingに目を向けることが組織の生産性に大きく
影響することが分かっています。

どんな時に自分の身体の調子がいいのか、悪いのか、
どんな時に自分は幸せな気持ちになり、なれないのか、
これを自分で数値化して示していただくと、
たった5名の少人数クラスでも、はたまた
200名にもなる大人数クラスであっても、
結果は固まることはなくバラバラです。

つまり、同じ会社で同じ仕事をして、
同じ部署にいて、朝から同じ仕事をしている
同僚や部下だからといって、私たち個人が感じる
心身の状態レベルはそれぞれが「違う」のです。
当たり前なことのようですが、これに気づかない人も多い。

 「昨日目標が達成されて、今日は天気がよい!」
 と自分が上機嫌だからといって、
 自分のチームメンバーも同じ状態とは限りません。

リーダーの方はこれを意識し、観察し、時に
声をかけて質問し相手の状態を把握し、配慮ある
言動の投げかけが必要です。

そして、リーダーと自覚する私たちは
どんな状態の時なら
「自分が一番成果が出せる状態になるのか」
「自分が一番ハッピーでいられるのか」
「自分がご機嫌でいられるのか」
を把握しておくことがとっても大切です。
何故なら、私たちの言動や機嫌(態度)
は、チームの健康状態に大きく影響するからです。

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これに関連する実験について、クライアントの方から
情報提供をいただきました。
「職場での無礼な言動は生産性や創造性を下げる」
という実証実験の結果です。

Overlooked but not untouched: How rudeness reduces onlookers’ performance on routine and creative tasks - ScienceDirect

そういえば先日おとずれたラーメン屋さんでは、
店長と思われる方がスタッフに対して大きな声で人間性
罵倒するような無礼な発言を繰り返してました。。。
私、このお店には二度とこないな~っと思った瞬間でもありました。
言葉にする無礼でなくても、機嫌の悪さで勝手にブスっと
していたこと、私もありましたので本当に反省です。
そのくせ自分の機嫌の悪さに、余計にネガティブループに
なること、お恥ずかしながら何度もありました。

この演習は数年前に
イェール大学心理学教授のデービッドカルーソ教授が
来日した際に教えていただきました。
「このワークを丁寧に実施することで、Well-beingの
大切さが組織リーダーにもきっと伝わるよ」とおっしゃって
いたことをよく覚えています。

リモートでも仕事ができる時代だからこそ、
対面でいる時間を大切に扱いたい。
私自身が反省を繰り返したことからこの演習を取り入れています。

自分の機嫌は自分でとる。

今日もご機嫌な自分でいましょうね。

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4時間EQと周囲の巻き込みについて考え切った後の
ステキな笑顔だらけです!全員に声かけられなくて
ごめんなさい! ありがとうございました(^^)


■【女性リーダーのための「周囲を巻きこむ」
コミュニケーションスキル】次回の開催は 5/17 

すでにお申込みをいただいる皆さま、
お会いできるのを楽しみにしております♪ 

 

女性リーダーのための「周囲を巻き込む」コミュニケーションスキル:ビジネス講座は 日経ビジネススクール

【EQx子育て】強制から魅力で伝えるに

学校で保護者会に出た際、
クラス内での先生への質問の時間にあるお母さまが
質問しました。
「まったく勉強に興味を示さないし、
勉強しないのですが先生がたはどう指導していますか?」



他の親御さんらも「うん、うん、うちもー」も
賛同しながら聴いています。

「大学に行くならもうギアをいれなきゃいけない時期ですからね、
いつまでもお遊び気分でいるな!と葉っぱはかけています」
「この時期に何をしなきゃいけないかは一目瞭然ですから、
ご家庭でもしっかりと声かけをお願いします」

うーん、違和感。

何かを学ぶとか、何かを習得するとか、スキルを身につけるって
大きくは2つ別れる気がしています。

一つは、強制で何かをできるようにする、
もう一つは、魅力で何かをできるようにするか。

憧れたり、ステキと思えたり、
こんなことやってみたい、できる!とその魅力から
何かをはじめれば夢中になれます。
これは子どもも大人も一緒です。
そういえば、勉強させても30分ともたない我が息子は、
ウィンドサーフィンの練習にはお昼ご飯も食べずに
7時間でも海の上にいられたりする。。。 まさに夢中でした。

では夢中をつくるにはどうしたらいいか。

これはどんな時にその人が時間を忘れて何かに
没頭できるか、わくわくできるか、表情が違っているか、
を自分も、周りも見極める。そしてこの「夢中」になれる
場づくりや環境づくりをすることが「魅力」で伝えること
なのです。

この「魅力」を見いだしその環境をつくるために、
子育てをする保護者として必要な力の代表的なものは、

・相手を観察し、相手の情緒を理解する力 
 =情緒的感受性

です。
情緒的感受性は相手の気持ちの変化にフォーカスし、
相手のしぐさや表情などの様子から相手の気持ちや
状態を察するようにすることです。

これに関しては私は大きな反省があります。
息子が塾行きを嫌がってさぼったりした時期がありました。
私としては仕事の合間をぬって送り迎えしたり、
宿題をするようにうながしたりとそれなりに時間を
かけて行かせるようにしていましたし、
「本人が決めたことなんだから、きちんと行くべき!」
と鼻息荒く子どもにきちんと行かせるように、それこそ
強制力をきかせていたのです。

そんな時、主人から言われた一言は、
「あいつ全然笑ってないじゃん、最近」

そう、言われてはっとしました。そういえば
「行くべき」「やるべき」と躍起になっていましたが、
本人の表情をまったく見ていなかったのです。

そこから、どんな時にこの子は表情が変わるのか、
どんな状態なら夢中になるのか、
そこに意識むくようになってきたことも確かです。

葛藤はありますよね。
そんなこと言っても大学に行けなかったら、、、とか。
それはきちんと本人や家族と話しましょう。

大学に行くことがその子の生きる目的やゴールなのか、
それともそこは通過点なのか、
もしくは違うルートで生きる目的やゴールに近づくこと
もできるのか?
でも、10代のころに自分自身で見いだした
「夢中になれること」に「魅力」を感じて
没頭した時間は、絶対に無駄にはならないと私は
確信しています。

これは、様々な企業で採用面接をしていても感じることです。

相手を観察し、その変化に少し敏感になってみること、
今日はこんなEQの力について、お話をしてみました。

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私の講座でよくやる「10x10x10」というワークでは、子どものころに夢中になったことを思い出して描く時間があります。最初は思い出せない方も、はっとすると夢中で描きはじめたりなさいます!それを説明する時のいい顔ったらない!




 

嬉しいハンバーグ 

先日、4ケ月間続いた日系メーカーでの
女性リーダー育成プログラムの最終回が行われ、
参加者一人ひとりからの取り組みについてプレゼンテーション
が行われました。

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このプログラムは社内としてはDiversityの浸透を目指し、
管理職層に向けてはDiversityの理解と実践、
女性リーダー層に向けてはキャリアをテーマとし、
この2つの層が同じ期間に、現場で相互に面談を
もちながら進め、最終回で女性リーダーが取り組みを発表します。
発表時には、一緒に参加したメンバーだけでなく、上司、
役員の方々なども参加します。
このプログラムのベースとしているのは自他の感情を理解し、
マネジメントやリーダーシップにいかすEQ(感情知性)です。
参加者全員がEQI(行動特性検査)を受検し
自身の行動特性を理解してからプログラムがスタートします。
”どうありたいか”、”どうありたいか”のゴール設定は本人が
設定し、上司はEQの結果をベースに自身の
マネジメントのスキル向上や自分自身のリーダーシップ開発
を目指し、女性リーダーの方はEQの結果をベースに自分の
ありたいリーダー像に向けて開発を進める方がほとんどです。

一人ひとりが自分のゴールを設定し、4ケ月間開発を
進め、それを一人3分発表していきます。

ある女性が「情緒的表現性」の開発に取り組んだ話を
紹介してくださいました。 
情緒的表現性は、EQIの素養の一つで喜怒哀楽などの感情を
言葉で表す行動の量をスコア化しているものです。
彼女はこの素養を向上させるという目標をかかげ、この4ケ月間
社内だけでなく、家庭でも実践を続けてきたとのこと。

社内では、まだ急激な変化は感じられないが、
「誰かを褒めたり、感謝を伝えよう」と意識
するだけで人を観察するようになった!という成果が
みられ、上司からも意識的な行動があると言葉をもらったと。

そして家庭では、10歳の息子さんを意識的に声をかけた
ことをご紹介下さいました。それまではどうしても
「ダメ出し」が多くなっていたことにも気づき、そして今回
は、ちょっと意識的に声かけをしたとのこと。
EQワークで理解した
「ちょっとポジティブな言葉」と
「ちょっと本人を認める言葉」と
「ちょっと本人が笑顔になる言葉」をかけたと。

「すごいね」「ありがとね」「助かったよ」
「見せて見せて~」「うんうんそれで?」など、
本当にいつもの声かけです、でも少し意識的に
以前よりも多く、ポジティブな声かけを実践しました。

すると先日、これまでに夕食の用意など
手伝うこともなかった息子さんが、
「ぼくがハンバーグをつくるよ!」と全て自分で
準備をし、家族のためにハンバーグをつくってくれた
そうです!

これが本当に嬉しかったと。

何より、お子さんがとても嬉しそうにハンバーグを
作り、達成感に自信がついた様子だったとのこと。
ちょっと笑顔で声をかけたことでこんな変化が生まれる
とは思っていなかったそうです。

「想っている気持ちはあっても、
言動にしないと本人には伝わってない」

これは私自身がEQから学んだことの一つです。
ちょっと恥ずかしくても、
 大切な人は大切って言う、
 いいなと思ったらいいねって伝える、
 嬉しいなと感じたら嬉しい表情をする、
これ、すごーく効きます。

子育てでの成果をしっかりと感じ取り、
今後は本当に成果を出したい「職場」でも
より意図的にがんばりたい!と語った彼女が
とっても印象的でした! 

この企業では女性管理職はまだ一人もいません。いわば、
彼女たちがその第一期生になることが期待されている選抜層です。
これまでは Individual contributor (一人完結型で貢献するとして
成果を出してきた彼女たちですが、これから期待されるのは
周囲を巻きこみチームで成果を出す
Collaborative Leadership(協働型のリーダーシップ)の発揮です。
従来の組織からより柔軟性の高い組織作りで経営を変えて
いくには、役職に関わらず、このリーダーシップを発揮する
ことがキーとなります。人に関わる、巻きこむ、動機づける、
はこれからますます期待され、そして自分自身も笑顔になる
スキルだと確信しています。

来年もこの企業での取り組みは続きます。
数年後にハンバーグの話をしてくださった彼女から
「取り組みを続けると会社だけでなく、家庭でも
いこことあるよ。例えば美味しいハンバーグが食べられる!」
なんて体験談を、後輩の皆さんに話してくださると嬉しいですね。

他にも、この取り組みを「自分ゴト」として捉え、
「自分の言葉」で発表をした方が多かったのが
この企業の女性リーダーの最大の強みでした。
皆さんお疲れ様でした!また来年、お会いしましょう! 

発表日にはステキなイラストがボードに描かれてました!
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