日々是Is'+ (アイズプラス代表 池照ブログ)

Is'+の視点による人事、キャリア、その他もろもろについての徒然 ver.1

資生堂ショックと女性のキャリア【意識編】

「時短なんだから出張は無理だよね」
「早い時間に帰ってくるんだから、夕飯はちゃんと作ってあげられるんでしょ」
「時短でしょ、オレは毎晩残業なんだよ」

女性社員向け研修は、多くの企業で1.5日~2日の時間をかけて
実施する企業が多く、たっぷりチームビルディングを実施した
1日目の午後や2日目は、かなり打ち解けてきて皆さんの本音が
どんどん出始めます。

よく聞かれるのが、上記のような言葉に自分自身が心を乱し、
悶々、イライラとしてしまうという話です。

「時短制度」は会社から与えられた「権利」ですが、
あくまで選択の一つであるはずです。母親になる=時短をとる
ではないはずで、小さな子どもがいる中でどのような働き方を
とるか、選択するか、よく考慮した上で選択をすべきかと
いつも感じます。
子供をもった途端に、上司も同僚も、そして旦那さんでさえ
「時短」を選択することが当たり前と考えられている方が
多いこと! 話を聞いていると、どうやら

・子供をもった女性は時短をとって子供と一緒にいるのがあたりまえ
・子供がいるなら、夜残業できない
・子供がいるなら、出張はNG
という思いこみが、職場を取り巻く人の中にあるのでしょう。

このような周囲の方々の配慮が、時に時短をとる女性
社員の行動を止めてしまっていることがあるように見えます。

私達が働き方を変え、制度を選択するには何かしらの「目的」
があるはずです。一番大切なこと、それは、この「目的」を
つねに頭に残し、自らどのように働くか、何を目指すか、何が
したいかを「自分から」明確にしていくことだと感じています。

時短制度に限らず、働き方を転換させる場合に
おススメしているポイントが3つあります。研修等でも
皆さんに書きだしていただいているものです。

① キャリアを長期視点で捉える
  → 目先のキャリアや働き方でなく、10年後に自分が
  どのような働き方(フルタイム、パート、時短を継続?、
  もしくは退職しているか…)をイメージする。
  子供は確実に進学し、小学校・中学校とアッという間に
  大きくなっていきます。その時、あなた自身は
  どうありたいのか?

② それぞれのステージでどんなリソースが必要かを書きだす
  → ①で長期視点のキャリアを書きだしたら、2~3年
  程度で期間を区切り、そのステージ毎にどのような24時間
  を過ごすかをイメージする。保育園か、小学校(学童)か、
  習い事をさせるか、、、そして、家族の支援はえられるか、
  得られない場合は、外部支援を依頼するか、他に準備が
  必要かなどを具体的に書きだしてみる。

③ では、今どんな行動が必要か書きだしてみる
  → ②で書きだした具体的なリソースが必要な場合は、
  具体的に準備を進める、そして、発信する。
  情報がなければ周囲に相談をスタートし、
  自らが必要な支援について発信する。
  そして何より、周囲の支援については「感謝の言葉」
  を発信する。

つまり、③10年単位→ ②2-3年単位→ ③今日明日の行動を
仕事(ワーク)だけでなく、プライベート(ライフ)も含めて
デザインしていくイメージです。
そして、できるだけ明確になった将来イメージを描き、それを
自ら発信することで上記のような言葉に自らがイライラしたり、
ドキドキしたりすることなく「子育て」を自らのキャリアに
ポジティブに捉えていくようにしていきます。

デザインという言葉は、時に「変えられないのでは」と
思われがちですが、本来のデザインの意味は、
”目的をもって具体的に立案・設計すること”であり、
目的を見直す旅に、プランや設計は調整が必要です。
と、同時に、私たちもこのプランニングにはプランや
設計が必要となるのです。

 


実際に、このワークを実践した女性達からは、以下のような
コメントをいただいています。

・時短を選択したことで、なんとなく会社の第一線から
 おいて行かれた感覚があったが、子どもをもつとそんな
 ものか、、、と自分に言い聞かせていました。でも、
 今回のワークで自らの行き先が少しはっきりしたことで
 時間の使い方がとても上手になり、気持ちがおちつきました。

・「時短を取らせてもらったんだから」といつも自分が
 家事や育児をやるのが当たり前と思っていましたが、
 このワークで数年後をみて周囲の先輩方に相談をスタート
 したところ、漠然と抱いていた不安(不満)が、希望に
 変わりました。本当によかった。

資生堂ショックのように、会社の枠組みや制度が変化すること
はどの会社でも起こりうることでしょう。
その時大切なのは、「で、私は何がしたいか」「どうしたいか」
を明確に発信できることと感じています。

少し時間をとり、我々自身の考えの棚卸をする。
ぜひ、次回のセミナーでご一緒しましょう!

 

⇓弊社近くの目黒川では、「冬の桜」のイルミネーション
がスタートしました。ピンク色のLEDで彩られた川辺は、
本当に桜が満開のように見えますよ~。

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