日々是Is'+ (アイズプラス代表 池照ブログ)

Is'+の視点による人事、キャリア、その他もろもろについての徒然 ver.1

【EQx子育て】私から「好き」を伝えること 

「うちの子が何を考えているか分からない。前はいい子だったんだけど」

EQ(感情知性)が子育てや人間関係に成果があるという話をした後、
研修後に相談にいらっしゃった方からのお話です。聴けば、誰もが知る
ような難関中学に合格したとっても成績優秀なご子息が、あんなに
「行きたい」と必死に勉強して入った中学を不登校になっている
とのことです。いじめ等がある訳でないらしい、ただ中学生男子
らしく親や社会に対しての不満や反抗心はあるようで、時にとて
不機嫌なことがあるそうです。親としてどう対応していいのか、
「学校には行くべき、せっかく入った学校なんだから。
あんなに言うことを聴いてくれてたのに、親の言うことを
聴かなくなって。。。」 彼女には憤り、怒り、焦り、悲しみ、
といろんな感情が沸き上がって息子の変化に対応できなくなっ
いるとお話して下さいました。

私自身、自分が中学生のころを思い返してみると不登校
はならずとも親や社会にはかなり反抗心をむき出しにしていた
頃があります。自立することへの憧れの一方、大人の話にある
矛盾や不条理が分かってくる年代でもあり、そんなところへの
反抗心が大きかったのかもしれません。親ともかなりぶつかり
あいました。自分でも自分が本当にどうしたいのか、
何を考えているのか、それを少しずつでも表現する術がなく、
なんだか悶々としていた事をとてもよく覚えています。
そして自分自身の悶々と鬱々とした態度に親が見せる落胆や動揺
も感じとっていたものです。
そう、子どもは結構親の対応をみているものです。

自分の子供をみていてもそんな時期がありました。
何か考えていたり、想いはもっているようだけど表現の術を
まだもっていない、または表現が十分でない。結果、
「何を考えているのか分からない」になってしまうのです。
そんな時は私も「それじゃ何を考えているのか分かんないよ」
って叱ってしまっていました。でも反対に、親は何を考えて
いるかを伝えているでしょうか。

EQ(感情知性)を学び始めた頃は、まさに私はこの渦中。
ぉこから気づいたことは、「子どもの考えてることが分からない」
と言っている私自身が感じたり考えていることは伝えていない、
です。”人の話を聞きだすならまずは自己開示から”、もし
子どもだろうが相手を違う意識や意見をもった「個」として尊重
するならば至極当たり前ですね。

そこから少しずつですが、私は自分が感じていること、自分が
考えていることを伝える時間をとることにしました。
そして同じように、少しずつ彼にも聞いて(質問)、
聴いて(彼のストーリーを)みることにしたんです。
ステップしとしては、

①自分の思っていること、考えを話す
  まずは好き・嫌いから、そしてニュース見ていてどう感じたか、など
②質問する
  私が考えを話した後に「学校ではどお?」「そーゆこという先生とかいる?」
  もちろん、最初に「知らない」「別に」「わからん、、、」のオンパレードです
③聴く
  ①、②を続けていると話し出す瞬間が出てきます。話出したら3分口を挟まずに
  聞く、「へー」とか「ふーん」とか、反応しながら。

実は①の自分の思っていることを話す・伝えるが思ったよりも大変でした。
会社での発言や親としての発言には「~べき」とか、「当然~だよ」が
先にあって要領よく話をくみたてていた自分がいて、実は
「私自身の考えや意見」ってそんなになかったんだということに
気づけました。

彼が18歳になった今も、少しずつですがこれを続けています。
あ、返答はまだまだ「うーん 知らない」の方が多かったりするんですよ。
でも続けていていると②や③の状態に彼も慣れてもきます。

自分自身のことを棚に上げて、私たちは子供たちによく
「意見を述べて」と押し付けてしまったりします。
まずは私たち大人が「自分自身の感情、意見、考えを伝える」
ここから初める。まずはここからが私自身のレッスンになります。

ここで必要EQの力は、「情緒的な表現をする力」です。
喜怒哀楽をバーバル(言葉で)示す、
またはノンバーバル(言葉以外で)示す力、
まずは自分から喜怒哀楽といった自分の気持ち示して
行きましょう。

「自分の”好き”を徹底して磨き、「ウィンドサーフィンのプロ」
になった息子を、私は尊敬しています。私の周りの誰とも同じで
ないキャリアを自ら選択しようとしています。だからこそ、彼の
気持ちや考えていることは知りたいものです。
自分の感情や自分の声に蓋をして大人になった私にとって、
その視点や思考は私達の時代のものとは違うことにも気づきます。
これやってると、彼を含む「若者」に本当に興味がわいてくるものですね。


相手の気持ちが知りたいなら、自分自身の気持ちをまずは伝えること。
言葉が難しければ表情でも、しぐさでも、会話の中の間の取り方でも
まずはそこから始めてもいい。
相手の話を聴くのなら、3分集中して大切な人に向き合うこと、
その相手の表情や声のトーンや言葉それ自体も「会話」だと思うこと。

何も言葉が出ない日、朝は彼の髪の毛をくしゃくしゃっとして
「行ってこーい!」と声をかけ、夜寝る時は「愛してるよー」とおどけて
言えば思春期の男子からは無視されるか、「きもいっ!」失笑をかうでしょう。
それでいいのです。だって第一段階、気持ちは伝えているから。 

今日も私の子育て(己育て)が続きます。 

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お弁当につけるハートマークも私流の気持ちの発信です。食べる時間には弁当の蓋でぐちゃぐちゃになっているそうですが、、、。 かわいい海苔は弁当作りを頑張る私に友人がプレゼントしてくれました、対象が男子高校生と知ってのあえての品だそうです! ありがとう!