日々是Is'+ (アイズプラス代表 池照ブログ)

Is'+の視点による人事、キャリア、その他もろもろについての徒然 ver.1

「女性だから」より「役割自覚」 5/17日経ビジネススクールに登壇しました!

5/17 日経ビジネススクール
【女性リーダーのための「周囲を巻きこむ」コミュニケーションスキル】
今回も全国から女性リーダーが集まり、満席の会場でした。
(お申し込みがいっぱいになり、次回にご検討参加の方もいらっしゃるとか。
ありがとうございます!)

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丸の内オアゾ3F 東京駅が見渡せる大好きな会場です!


このセミナーは、リーダーとして”「周囲を巻きこむ」コミュニケーション”スキル
を、EQを通して身に着けアクション発揮につなげるものです。
参加者全員がEQ診断を事前に受検し、当日にフィードバックを受け取り
ながらセミナ―に参加していただきます。毎回参加者同士のネットワークも
盛んで、数年前から交流が続いて今も「飲み会」が続いているグループも
あります(私も昨年参加させてもらったり♬)。 

■EQ診断のスコアに男女差はある?

今回会場から出た質問のひとつは、
「EQ(感情知性)は男女でスコア差がありますか?」でした。

男女でEQ診断のスコア差はほぼありません。
自他の感情を認識し、成果に向けて思考と行動をマネジメントする能力に
診断で見られる明確な男女差はないのです。これは弊社の3000名以上の
データでも言えます。

3年前にEQ提唱者のジョンメイヤー&デイビッドカルーソ博士が来日し、京都大学
でのイベントに同行した際、実は私も同じ質問をしました。その際のカルーソ先生の
お応えも、「データとしての男女差はほぼない。ただ女性の方が若干セルフエフィカシー
(自分の行動や実績をを肯定的のとらえること)部分が発揮できていないケースが
多くみられる。」
とのこと。
これは、弊社のデータでも当時は同じことが言えました。この日の夜、
懇親会ではカルーソ先生といろいろなディスカッションができました。
・経験や実績が不足している女性リーダーには個別のコーチングやメンタリングが
有効である。→実際に私も女性リーダーへのコーチング実施することで、飛躍的に
キャリアに広がりが出た方が多くいらっしゃいます。
・診断検査は便利で分かりやすいツールであるが、スコアを意識しすぎるがあまり
能力開発が限定的になる→ 確かに、数値化されたスコアは「見える化」の素晴らしい
ツールですが、スコア順に開発をしがちになってしまう。よって私のプログラムでは
スコアから読み取った「強み」と「課題」に注力し、スコアによらない開発にしました。

■他者評価と自己評価の差
関連するデータとして、2009年のハーバードビジネスレビュー:
Women and the Vision Thing[女性リーダーに唯一かけている力]記事にある
INSEADのエグゼクティブプログラムの参加者2816名を対象にした360度評価
の調査では、リーダーシップを構成する評価を自己評価と他者評価の結果で比較
しています。リーダーシップを構成する項目:
  1. 構成力
  2. エンパワーメント
  3. 勇気づけ
  4. 組織デザインと調整
  5. 報奨とフィードバック
  6. チームづくり
  7. 外向きの姿勢
  8. グローバルな発想
  9. 粘り強さ
  10. EQ

これらの10項目のうち、
・EQをはじめ、勇気づけ、組織デザインと調整、外向きの姿勢と4項目については
女性リーダーの自己評価、男性リーダーによる他社評価、そして女性リーダーに
よる他者評価ともに女性リーダーが高い のです。
つまり、EQに関しては、360度評価でも男女差はとくになく、それよりも男性も
女性も女性リーダーの方がEQの発揮に関しては高評価なのです。
ちなみに、この調査で男性リーダーが唯一「女性リーダーの力が不足する」としたのは
1.構想力(ビジョンを描き出す) のみです。この構想力不足とみられることが、
自分の実績を肯定的に捉える=セルフエフィカシーの低さにリンクするのでは
と私は考えています。

女性リーダーに唯一欠けている力 149カ国2816人の360度評価データが示す | ハーミニア・イバーラ,オティリア・オボダル | ["2009年3"]月号|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー


少し古いデータですが、
女性がリーダーとして力を発揮するにあたり、
勇気づけられ、また、とても興味深いデータです。

■女性でなく、役割の問題じゃないかな 

このセミナーでは、この名称になってからだけでのべ300名に近い受講者の
皆さんにご参加いただいており、毎回参加される一クラスをひとつのグループと
として組織診断をとっています。

実は、この組織診断がとても面白い結果を示してくれています。

「女性リーダーはセルフエフィカシーと構想力が弱い傾向にある」という
上記のようなこれまでのデータとは、「逆」といえるような傾向がでているのです。

私の見立ては、
「これまで」のデータは、女性のデータをとる際に初めて女性リーダーとして
任用された方々、組織で初めて女性リーダーをする方々がそのデータの母数
になっていると思われます。そのため、リーダーとしての経験が少ない中で
アンケートに回答していまうす。が、私のセミナーに集まる皆さんはすでに
「リーダー」としてすでに経験が数年以上あり、そして自身を「リーダー」として
自覚をしている方がほとんどなのです。つまり、
「リーダーの役割を自覚していて、その中で”周囲を巻きこむ”コミュニケーション
を学びたくて来ている」人達が母数になると、男女問わずその役割に
必要な行動がそのまま診断に現れるようになる、です。
組織診断の結果を大枠で語れば、
・セルフエフィカシー(自己への肯定感)は高く、自主的に仕事を遂行する
 実行力に長け、冷静な判断するために感情を調整する方々が多い。
・その一方、人に寄り添う余裕と聴く行動が不足し、精神的な安定性や
 自分の想い通りにならないとイライラが顔に現れる傾向がある、方々
でもあるのです。

これは、「女性だから」でなく、「役割としての管理職やリーダーの仕事を
邁進するため」の行動傾向と見られるもので、女性・男性だからという
ものではないと思います。これがEQのスコアにも表れている、のです。

この興味深いデータ、リーダーシップ研究している先生方と共有したい。
どなたかご興味ある大学(院)の先生がいらっしゃれば教えていただきたく!

今回は、
満席で参加された全員がEQに触れたのが初めてとのことでした。
皆さんが一番心に残ったことが、
「EQは高められる」です。そして、高めるための明確な
行動のヒントがあることです。

一時的な感情は変えられないし変えなくていい、それが
ポジティブでもネガティブでも、あなたが感じたことですから。
でも、周囲を巻きこんで皆で共有する目的を達成したいなら、
描く成果に向けて思考し、言動を変えることはできます。
これがEQ、感情を知性としていかすことです。

これには訓練が必要ですが、複雑なものではありません。
そしてぜひ、周囲を巻きこんでワークを進めてください。
周囲を巻きこんで訓練(ワーク)していけば、一人でワークする
よりもずっと笑顔で少しずつ思考や言動の変化が感じられます。
性格や感情は変わらなくても、言動は変えられるのです。

ありたい姿にちょっとずつでも近づいていきましょう!
そして One Iketeru a Day!  を忘れずに。 

今回も素晴らしい出会いがありました。ありがとうございました!

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今回は、四国からも東北からもご参加いただきました!「写真とりまーす!」に集まってくださった皆さん!




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□6/7 @鎌倉由比ガ浜 
 Cocoro Yutaka EQprogram ご紹介ワークショップのお知らせ
 → EQを中心に「鎌倉ならでは」のメニューを
 併せてご提案する企業、組織向けのプログラムご紹介です。
 今回のご参加者にはEQI(行動特性)検査が無料で
 ご受検いただけます。「鎌倉でなにかできる?」
 「鎌倉でのワークショップってどんな風にできる?」
 にお応えします!
 対象は企業の人事・育成担当の方、
    企業研修やイベントの企画担当の方、
    そしてEQ(感情知性)に興味のある方 
    鎌倉でのワークショップをご検討の方、などです。
 詳細、お申し込みはこちらから 
 https://cocoroyutaka-eqprogram.peatix.com/
  
□8/8 日経ビジネススクール 
 「女性リーダーのための「周囲を巻きこむ」コミュニケーションスキル」
 毎回日本全国、そして海外からもお申込み者があるこの講座、
 次回開催 8/8分もすでにお申込みをいただいています。
 皆さまにお会いできますこと、楽しみにしています♪ 
 詳細・お申込みはこちらから
 https://school.nikkei.co.jp/seminar/article.aspx?sid=P1901602&n_cid=nbs_lec_NBSCEL
 セミナーレポート(2018年度版)はこちらです
 ご参考ください⇒ https://is-plus.jp/archives/4464