日々是Is'+ (アイズプラス代表 池照ブログ)

Is'+の視点による人事、キャリア、その他もろもろについての徒然 ver.1

指示よりも支援の姿勢

先週の日経ビジネスセミナーでは、皆さんが現場で
抱える課題をシェアしていただきました。

・年下のメンバーにどうやってやる気をもってもらえばいいか。。。
・年上の部下への注意の仕方が難しい
・メンバーが女性ばかりの職場でやる気がない人が多く、対応がむずかしい 
・・・ などなど

また、帰りにも「叱り方」に困っているという方が
ご相談にいらっしゃったのが、
「注意や叱ることをしなくちゃならない立場ですが、難しい」
というもの。このようなご相談、実はとても多いです。

■How can I support you? 

20歳代を過ごしたアメリカのお菓子会社では、過ごした時間の
半分以上がイギリス人の上司の下で仕事をしました。その後
同じく米国の自動車会社で仕事をした際も、仕事の相談に
乗ってくださったのは外国人の方でした。
”外国人だから”ということではないはずですが、彼らに
共通していたことが一つあります。
振り返ると、
彼らから「叱られた」「指示された」経験はほぼなく、
かわりに
「意見」や「なぜそうしたか?」を尋ねられたことが山ほどあります。

まだ経験が浅かった私は、
指導や指示をもとめて彼らのところに行くのですが、
彼らは指導や指示をほとんどしませんでした。
担当者として私がなぜそう考え、その行動を選んだか?
その結果どうなったのか?何に困っているのか? を
繰り返し聞かれた覚えがあります。

上手くいかない採用活動に、
社員がなかなか賛同してくれない評価制度の変更に、
日々起こる現場での労務問題に、
私が求めていたのは「指示」や「指導」でしたが、
彼らが私に聞いてきたのは、
「プロとしてあなたはどうするの? 何か助けることある?」
”OK then, How can I support you?"
(状況は分かったわ、で、私に支援できることは何?)
という一貫した言葉がけでした。

そう聞かれると一瞬困ってしまっていました。
だって、私が期待していたのは
「指示のもとで言われたことをやる」
だったからです。

■スタンスとスキル 

私が彼らから学んだことは、一貫した「スタンス」をもつことです。
スタンスとは、「態度」「構え」「立場」という意味ですが、
リーダーという立場からはメンバーに対してどのような位置づけで
接するかという立ち位置のことととらえています。

自分は相手(メンバー)にとってどんな存在であるのか、の姿勢です。

上位の立場だから指示・指導・叱責をする のか、
対等な立場だから傾聴・支援・フィードバックをする のか。

どちらが正解ということはないでしょう。
仕事の内容や相手のレベル、相手のおかれた状況によっても
この取りたいスタンスは変わってきます。

前述したような対応を受け続けた私も、
最初は「指示」や「指導」がないことにとまどいますが、
しばらくすればそれに慣れ、自分で考えるようになっていたのです。

「私はここまでやってみたけどこの後は難しい、
だから会議でみんなへの告知を手伝ってほしい」と伝えれば、
上司たちは「Sure! (いいわよ、資料は用意してね)」と
サポートしてくださるのです。

あなたな、あなたのメンバーに対してどんなスタンスで
接していますか?

そしてこのスタンスがある程度固まったら、
自分の行動傾向を把握し、
相手に伝えたいメッセージを伝える際にスキルを発揮するのが
メンバーを巻きこむコミュニケーションです。

この時、EQのアセスメントはとても役立つと考えています。

自分の行動傾向をアセスメントで知る
 (例えば、話量が多い、自主的考える傾向にある、イライラが顔に出やすい)
ことで、相手に与える印象や安心安全の場の作り方に工夫ができます。
そして相手に与えたいメッセージをアセスメントを理解して調整
することができます
 (例えば、話量の調整、自分の考えを先に言わずに相手に先に行ってもらう、
 イラっが顔にでることを自覚して調整し、相手の話をじっくり聞ききるなど)。

相手が自分にとってどんな存在(立ち位置)であり、
相手にどんなメッセージを伝えて、どんな風に活躍してほしいか、
考えながら探っていきます。

■「相手に考えてもらおうとしたこと、なかったな~」

セミナー終了後に相談によってくださった方は、
医療機関の組織を束ねる組織長のお仕事をしていらっしゃいます。

年上のやる気のない部下、
年下の精神的に委縮した部下、
高圧的な専門家数名をマネジメントするその仕事は、
日々の対応だけでもいっぱいいっぱいとのことです。
確かにアセスメントシートにはそんな状況が現れる検査結果が
見て取れました。
彼女が描く「ありたい組織の姿」は”誰もが生き生きと自分の力を
発揮できるやる気あふれる組織”です。

ひとしきり、話をされた彼女に、おうかがいしたことは
「指示や注意することが本当に必要ですか?」です。
おうかがいすれば、だれもがある程度プロとして
能力を提供している職場です。だったらなおさら、彼らを
プロとして扱い、プロとしてどう考え、どう行動するかを
考えてもらう存在として扱えるか、それが私たちリーダーの
スタンスとなるでしょう。

リーダーになったからには、自分もそうされてきたように
指示・指導を適格にしないと、、、自分が考え、それを
伝えてついてきてもらうのがリーダーだと、ずっと思ってきた。

「相手をプロとしてみるとか、部下に考えてもらうなんて、
あまり考えてなかったかも・・・」
ちょっとびっくりした顔でこう話した彼女の顔は、
目の前にいる部下の方々を一人ひとり思い浮かべている表情でした。

宿題磨の彼女と約束したのは、
「相手が主役で、相手が考えたことを支援する役割に徹してみる」
を続けてみてもらい、変化をまた知らせてもらうことです。

春ころでしょうかね、お話うかがえるのを楽しみにしています!




・・・・・・・・・・・・・・・

■ 日経ビジネススクール公開講座のご案内
  『女性リーダーのための「周囲を巻きこむ」コミュニケーションスキル』
  次回の開催は3/12 開催です 

  2020年 1月31日開催 済
  2020年 3月12日開催
  2020年  5月15日開催
  詳細・お申込み⇒ 

https://school.nikkei.co.jp/seminar/article.aspx?sid=P1901955&n_cid=nbs_lec_NBSCEL

 

■ 2/8 EQGA主催 相川教授特別講演に事例発表登壇します
 『EQマネジメントで世界にポジティブな変化を創りだす
  ~日本で初めてのEQオウンドメディア【EQ+LAB.】の挑戦~
 ⇒こちらはEQGAの有資格者向けセミナーです すでに満席となっております
 https://armg.inboundtools.com/pfmtg2019 

■ 組織の「ありたい姿」をEQと鎌倉ならではのプログラムで
  達成支援します
  Cocoro Yutaka EQ 
  https://is-plus.jp/cocoro-yutaka-eq

■ EQに関するお問い合わせは、
  https://is-plus.jp/eq-service

 
■ 人事制度設計、人材開発・組織開発、講演などのお問い合わせは、  
  https://is-plus.jp/

 
⇒年初からドタバタしており、先日やっと「初詣」にうかがいました
(遅すぎですね、、、)晴天に恵まれた鎌倉鶴ヶ丘八幡宮です!

f:id:isplus1:20200205123958j:plain