日々是Is'+ (アイズプラス代表 池照ブログ)

Is'+の視点による人事、キャリア、その他もろもろについての徒然 ver.1

観察と感謝で自己肯定感(自己の存在を認める)をつくるって話  

 今年秋も、某企業の若手社員向け選抜リーダーシップコース
の担当から、現在参加者全員にEQコーチング*を担当しています。

全国の同世代社員の中から選ばれた優秀な参加者たちですが、
悩みも課題も、そして一人ひとりが描くキャリアもばらばらです。
そんな多様な課題を日々うかがう中ですが、ちょっとした共通点も
見つかります。今日はその共通点から一つご紹介したいと。

■「自己肯定感」が低い

会社から選ばれてこの研修に参加している彼らですが、
自分の実績や経験を肯定的に見る「自己肯定」が低いと
自覚している人がとても多いのです。

それでも彼らは組織の中で実績を上げています。
実績を上げているからここにいるのです。

そもそも「自己肯定感」を辞書で引くと、
”自分の価値や存在意義を受け入れ、尊重する感覚”とあります。
私にとっての自己肯定感は
「自分に対して”大丈夫!””よかったね!”と言える感覚」です。

ではなぜ、彼らは「自分に対して”大丈夫!”」と言えない状態
にいるのでしょうか?


■主語が「自分」にならない癖 


話を聴いていて気になったのは、主語の使い方です。
自己肯定が自覚的に低い方々の主語は「会社が」「周囲が」「普通は」
と自分以外が主語になることが多くあります。

・会社の期待に沿うような管理職になれない・・・
・周囲がやるように自分は論理的に説明ができない・・・
・普通はこの経験があるけど、自分にはないから無理・・・

常に何かと、もしくは誰かと、誰かのつくった軸で比べて自分はそこより
劣るというモノサシを当ててしまいがちです。 

一方、自己肯定が高いなと感じる方々の主語は「私」が多く出ます。

・私は結構ラッキーなんですよ、あの時にこんなことが起こって・・・
・私が考える顧客満足は、表情から読み取れると思っています、それは・・・
・私が最近気になるのは、雑談が減ってしまった影響です・・・

比較的「自分」が主語になることが多く、自分を中心に人や物事の
変化に対して自分が感じたことを話します。

この違いは、捉え方の「癖」です。
自己肯定感が低いなと感じる人は、自分が何を基準にして判断しているかを
振り返ってみてください。もし、自分で自分を「ダメだ」と感じるなら
何に対してダメと感じるのでしょうか?

 会社の評価基準?
 上司の機嫌?
 SNSのいいねの数?
 
これらは裏を返せば、全て「自分以外がたてた誰かの基準」です。

■主語を自分にしてつくる「自己の存在感」 


自己肯定の低さを自覚した私自身も取り組んだことの一つは、
誰かの期待や基準と自分の考えや感じ方を分けて捉え、
「自分」を主語にして自分の現在の状態に感謝することです。

・上司の期待は理解しています。私は今期待をされていることに感謝しています。
SNSではイイねが3つしかつかない。私は3つのイイねに感謝しています。
・普通だったら知らなきゃいけなこと。私は今それを知れて対策が打てることに感謝しています。 

周囲の雑音を気にするな、と言われても
情報が飛び交うこの世界で気にしないようにすること自体が難しい状況です。

それなら、外からの情報や、誰かの基準があることを認め、
それはいったん事実として受け止める。でも、「自分」はそれに対して
どう感じるのか、自分がその状態に対してどこに位置づいているのかは別です。
事実をいったん受け止めた上で、(認知)
自分の周囲を感謝の視点で見つめなおし、(観察)
「感謝」のことを発信します。(感謝)
この一連をご自身の「癖」にしてしますことで、
自己を肯定する力を高めていきます。

コーチングの初日からこのワークを意識した参加者から週末に
以下のメールをいただきました。

”自分が自己肯定が低いことをアセスメントで再認識し(認知)、
家族や気にかけてくれる上司や友人がかけてくれる小さな一言を思い出し(観察)、
その言葉に感謝して、「ありがとう」って伝えるようにする(感謝)。
これをやり続けてまだ2ケ月足らずですが、本当に気持ちが穏やかになっています。
この研修への参加自体が負担で嫌だったのが嘘のようで。
今はこの恵まれた機会に感謝しています。” と、嬉しいお知らせでした。

自己肯定感づくりには他にもトライできることがあります。
(他の方法については、またご紹介もしていきます)
その中でも特に、組織や家庭の中で様々な期待を感じ取り、
誰かの期待を察して動いてしまう方には、期待をいったん認め、
主語を自分にして感謝するこのやり方をご紹介しています。

自分を主語するにあたり、
自己を無理やり肯定する必要はありません。
否定しても肯定してもいい、その存在があることを認めればよいのです。
自分の「あり方」をそのまま認める、
それこそ自体が自己の存在感であり、自己を肯定すること
になっているのですから。

私を含めて、つい誰かの期待を察してします皆さん、
自分に「大丈夫!」「よかったね!」といえる状態、
一緒につくっていきましょう。 

 

*EQコーチングとは、
 アイズプラスのEQアセスメントをベースとしたコーチングです。
 アセスメント結果からの現状を踏まえ、強みを見いだし、ありたい姿に
 向けてEQをベースとしてコーチングを提供しています。
 一般的なコーチングとの違いは、EQアセスメントの結果をベース
 に進めるため、自己認知とマネジメント行動に基づいた分かりやすい
 コーチングになっている点です。 

 詳細とお申込み・問い合わせはこちらから
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天気のよい週末はSUP (Standup Puddle Board) で海上散歩を楽しんでいます 
写真は材木座海岸からのの眺めです 



 

 

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