EQやリーダーシップのトレーニングの中で、
相手の感情を知るには?の質問をすると最も多い解答の一つは、
・相手の表情を見る です。
確かに、私たちは相手の感情や機嫌を察する際に最も参考に
するのが「表情」です。
・顔色をうかがう
という言葉は、まさに相手の表情からその様子を予測することです。
■表情はだれのものか?
少し前、一日の仕事を終えて鏡で顔をみたら、
疲れ切った酷い顔をしていました・・・
「こんな疲れ切った機嫌悪そうな顔、こりゃ誰も話かけたくないわ」と
顔立ちの問題ではなく、「表情」の問題です。
人に与える印象を決めているのは、造形よりもむしろ「表情」なのです。
どんなに強面な人でも、明るい表情はつくれます。
逆に、どんなに整った顔立ちの人でも、
不機嫌な表情をすれば印象は悪くなります。
つまり、表情は「相手の感情を読み取るための手がかり」であると同時に、
「自分が相手に与える印象を決める要素」でもあるのです。
■ポジティブな表情がポジティブな関係をつくる
同一人物による表情の魅力評価を測定した研究*では、
・ネガティブな表情(悲しみ顔)と
・ポジティブな表情(幸福表情顔では、
ポジティブな表情の方が倍の魅力度になることはは
分かっています。
これは直感的にも納得できる結果ですが、
自分の表情が周囲にどんな影響を与えているかを
意識している人は、意外と少ないのではないでしょうか。
*参考:表情顔の魅力評価に関わる心理的要因(『知能と情報』2011)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsoft/23/2/23_2_211/_pdf/-char/ja
■感情は伝播する
ある企業で実施した管理職向け1on1研修でのことです。
本部長の方がこんな話をしてくださいました。
「昔から“顔が怖い”ってよく言われてさ。
だから部下が話してくれないのは仕方ないと思ってるんだよね。」
つまり、「顔つき(造形)」のせいで仕方ない、
という意味でした。
そこで私は、研修に参加していた管理職の皆さん
(90%以上が男性・45歳以上)に、こう問いかけました。
「表情はだれのものですか?」
ディスカッションの結果、多くの方が気づきました。
「顔の造形は変えられないけれど、表情は自分の意思で変えられる」と。
数週間後、その本部長からメールをいただきました。
「あの研修以来、面談中に自分の“表情”を意識するようにしました。
少しずつですが、部下の発言が増え、関係が深まってきました。
“表情はだれのものか?”という問いが、本当に大きな気づきでした。」
■表情は、相手への意思であり、プレゼント
感情は、表情によって伝播します。
自分が相手に感じている気持ちは「表情」によって伝わります。
私たちは、相手とどんな関係をつくりたいかを想い、
表情を選ぶことができるのです。
だから、表情は相手への意思でありプレゼント、そう感じています。
ぜひあなたも、周囲の人と一緒に
「表情はだれのものか?」を語ってみてください。
きっと、関係の風通しが少し変わっていくはずです。
★動物にも表情があるそうですね
こんな表情を見たら、思わずこちらも笑顔になりますね☺
