日々是Is'+ (アイズプラス代表 池照ブログ)

Is'+の視点による人事、キャリア、その他もろもろについての徒然 ver.1

不安との向き合い方

先日、某大手企業の女性役員の方々と
これからのリーダー育成について対談の場をいただきました。
そこで質問されたのが「不安」との向き合い方です。

この企業では女性リーダー育成にEQ検査を導入されており、
すでに数年にわたって私が講師/ファシリテーターを担当しています。
EQ検査から分かる傾向の一つとして
「特性不安」という項目、見えない未来に対し不安を感じてしまう
度合いが強いということが分かっているのです。
感情はデータであり、私達の人生においてのサインの一つです。
この「不安」という感情からどんなサインをみつけることができるのか?
これもEQの学びの一つです。

そんな話をしているとき見つけた TED動画をご紹介します→ 

「What Makes a Good Life? A Neuroscientist + a Global Financial CEO Answer」

www.youtube.com

 

脳科学者のウェンディスズキ先生とHSBのアンナベルさんの
「良い(幸福な)人生とは?」をテーマとした対談です。
まだ日本語訳はついていませんが、私なりに意訳して概要まとめています。

  • 健康と財政の安定: 長期的な健康と財政の安定が良い人生のカギとなる
  • 運動x財政的計画の大切さ: 簡単な運動や財政的計画が現在と将来の幸福を向上させる
  • 喜びの最大化: 自分にとっての喜びを最大化し、不安の捉え方を変えることで幸福度が向上する
  • 脳の健康: 「良い人生」と生涯にわたって脳の健康を維持すること!

と不安だけでなく、様々なテーマで「良い(幸福な)人生」について
2名のキャリア女性が熱く語っています。

その中でも気になった部分を抜粋しました。

  • 「不安」についてのマインドセットを変えること。「不安」をただ取り除くだけにせず、私たちを守るために進化しているものであることを認識する。そこに注意を払うべき。
  • 「良い(幸福な)人生」とは何か?自分が情熱を注ぐ何かに自分をささげること。財政的なこととは限らず、地域活動や家族に向けてかもしれない。人によって異なる。頭にうかぶときに畏敬の念が出るような活動を認識しよう。
  • QOL: Quolity of Life (人生/生活の質)に関する調査結果では、3つの要因があることが分かった。肉体的、精神的、そして財政的な健康の3つだ。
  • 長寿リテラシーを高めることが必要。そのために好奇心をもち続け、人生で活動できる選択肢を増やすことが大切。
  • 健康は唯一の個人資産だ。他の人に移転できず、代替することもできない。最も重要で、継続的なケアが必要な無形資産であることを認識する。

 

■不安との向き合い方

特性不安が強く、「常に不安を感じる」という方には、
”不安の中身を書き出す”というワークがあります。
私自身もコーチングの学びでは自分の不安要素を紙に書き出して
その紙をポイっと捨てる、なんていうワークを体験したことがあります。
頭の中で「不安」がポイっとされるイメージができ、面白い対応法でした!

TEDにもあるように「不安」に対するマインドセットを変える、は
レーニングすることによって可能です。

私が提供する感情を理解するEQのコーチングにおいては、
不安要素も書き出しますが、同時に”自分をハッピーにする要素”や
”周辺で浮かぶキーワード”なども書き出していただくようにしています。
不安を感じていることは、その事象の対にある
別な事象に光を当てようとする保護機能でもあるのです。

・プレゼンテーションが不安でならない時、
 実は自分でも分かっているのはプレゼンに対する情報/練習不足
 であることが隠されていたりします。
・将来のキャリアが不安な方は、
 これまでのキャリアで「自分で決めた」経験が少なく、
 これからのキャリアは「自分で決める」ことが必要なことを
 気づいています。

このように、不安な事象の対には自分で認めたくない事実や
不足している思考や行動が見えることもあります。
実際に、私のクライアントの方でも「不安」を皮切りに自分に起きていることの
解像度を上げ、向き合うことで好転されていく方がいらっしゃいます。

もう一つの不安の向き合い方の一つとして、このTEDでも紹介されている
「運動」があると思います。
「不安」でいっぱいな頭をさらに不安でいっぱいにする前に、
いったん「不安」を横におき、身体を動かすことで
脳内物質の出方も変わります。運動による視点が変わり集中力が養われること
は研究でもわかっています。何もプロアスリートを目指す必要は
なく、ウォーキングや散歩などの簡単なものを継続的に実践することで、
長寿人生に備える長寿リテラシーとしても有効ですね。
私自身も毎朝15分の散歩を取り入れることが、朝のルーティー
になっており、自分にとって一日を気持ちよく過ごす習慣です。

EQを学び始めた私がメリットに感じることの一つが、この
不安やネガティブな感情との付き合い方です。
「不安」な気持ちが沸いてきたら、
 ・ふむふむそれって何? とじっくり向き合ったり
重症化する前にジムに行って汗をかく、そうすると
 ・あれ、不安じゃなくて計画書き出してなかっただけか 
なんてこともあります。 

もちろんより大きな不安もありますが、
まずは自分の不安の度合いを知ることが大切ですね。 

 

散歩をしっかりと楽しむと、街の様々な発見があったりしますよね