日々是Is'+ (アイズプラス代表 池照ブログ)

Is'+の視点による人事、キャリア、その他もろもろについての徒然 ver.1

BANI時代のEQリーダーシップ

「“正解がない”ことに向かうのがどうしても苦手なんです」
「変化が速すぎて、将来のキャリアを考えると不安しかない…」
「リーダーに興味はあるけど、こんな予測不可能な時代に
 何をどうすればいいのか、教えてほしいです」

ーーこれは、ここ1年ほどEQ×リーダーシッププログラムに
参加してくださった方々から、実際に寄せられた声です。

そう感じるのも、無理はありませんよね。私たちは今、
先が見えにくい「予測不可能な時代」の真っただ中にいます。

 

■VUCA時代とは?

こうした混沌とした状況は、これまでは「VUCA(ブーカ)」
という言葉で表現されてきました。
VUCAは次の4つの頭文字をとった言葉です:

  • Volatility(変動性)
  • Uncertainty(不確実性)
  • Complexity(複雑性)
  • Ambiguity(曖昧性)

1990年代にアメリカで軍事用語として使われ始めたこの言葉は、
やがてテロや国際情勢の複雑化、テクノロジーの急速な進展など、
グローバルな不確実性を表すキーワードとして広がっていきました。


■そして「BANIの時代」へ

VUCAの時代を経て、コロナ禍を経験した私たちが向き合うよう
になったのが、「BANI」という新しい世界観です。

BANIは、未来学者Jamais Cascio氏によって提唱された概念で、
以下の頭文字をとったもの:

  • Brittle(もろく)
  • Anxious(不安に満ち)
  • Non-linear(予測不能で)
  • Incomprehensible(理解が難しい)

VUCAが外的環境の変化や社会構造を捉えていたのに対し、
BANIはもっと「人間の内面や感情」にフォーカスしています。
変化の激しさに加え、「もろさ」や「不安」、「理解の限界」
といった人としての反応が主観的に語られるのが特徴です。

 

■BANI時代に必要な力=EQ

では、こんなBANIの時代に、私たちはどう向き合えばよいのでしょうか?
実は、BANIには対応策も示されています。それが:

…そう、まさにEQ(感情知性)の力が、
BANI時代に求められているのです。

私たちが多くの企業・リーダーの方々と取り組んでいる
EQの実践が、このBANI時代のリーダーシップに直結
していることを、改めて感じます。

関連する内容は、昨年開催したセミナー
【EQ×D&I〜違いを力にする感情知性と多様性の相乗価値〜】
でも詳しく取り上げました。
👉EQセミナーVol.24 のレポートはこちら

 

■AIに”優秀さ”を託せる時代
 私たちは「心の力」を育てよう

生成AIの登場も、BANI時代の大きな特徴のひとつです。
これからは、データに基づく意思決定や戦略策定はAIが
担っていく場面が増えるでしょう。

だからこそ、人と人の間にある「信頼関係」や「共感」、
そして「感情のマネジメント」がますます重要になります。
EQは、”自分自身と他者を理解し、柔軟に変化を起こす力”
として、BANI時代のリーダーに不可欠な資質になります。

 

■何から始めるか?

まずは、「自分の感情に意識を向ける」ことから始めてみましょう。

たとえば…
「今、私は何を感じているんだろう?」
「この感情は、どんな出来事や価値観から生まれたのだろう?」

そんな問いを持つことで、私たちは自分を深く理解し、
他者ともよりよい関係を築けるようになります。
これが、EQを育てる第一歩になります。

 

■BANI時代のEQリーダーシップ

この春、1.5年ぶりに 日経ビジネススクールのEQプログラム が復活します。
BANI、変革、リーダーシップ、EQ…これらのキーワードにピンと来た方は、
ぜひご注目ください。

「正解のない時代」だからこそ、自分とつながり、人とつながる力が問われている。
そんなBANI時代を生き抜くヒントとして、
皆さんとEQを学び合えることを楽しみにしています。


👉3/14 日本経済新聞社東京本社開催


「変革」を辞書でひくと
”変わりあらたまること。変えあらためること。”出ます。
先日弊社で実施した「EQx茶道セミナー」はまさにそんな
”変化”する周囲と自分を捉えるよい機会になりました🍵