日々是Is'+ (アイズプラス代表 池照ブログ)

Is'+の視点による人事、キャリア、その他もろもろについての徒然 ver.1

脳の掃除と心の掃除 ~睡眠x感情マネジメントセミナーから~

「感情が整わないと眠れない」「眠れないと感情が乱れる」。
そんな経験、誰しも一度はあるのではないでしょうか。

2025年4月11日に開催されたアイズプラスEQセミナーVol.29
【感情×睡眠マネジメント ~感情と眠りを整え、最高の成果を出す~】
セミナーでは、臨床の現場と心理学の知見を行き来しながら、
石田陽子先生と私で“睡眠と感情”の関係の探求の時間になりました。

石田先生が早速「振り返り」のレポートを書いてくださいました


今日はEQオタクな私からの視点で、今回のセミナーの振り返りを
していきます

睡眠と心のふかーい関係

忘れたいのに忘れられない――
脳の不器用さと向き合う

セミナーでは、池照が紹介した
「捨てたい感情を紙に書き、実際にゴミ箱に捨てる」というワークが話題に。
石田先生はこれを「脳をうまく使う方法」として評価してくださいました。

人の脳は、AIのように情報を“消去”することができません。
だからこそ、ネガティブな感情をそっと“片付ける”工夫が必要です。

先生のお話からは、「睡眠はその片付けの時間」とありました。
日中に蓄積された感情や記憶は、睡眠中に整理整頓され、
脳内の「感情フォルダ」にラベリングされます。
特に前半のノンレム睡眠では脳の“掃除”が行われ、
後半のレム睡眠では“創造性”が活性化する。
つまり、よい睡眠は感情マネジメントの土台であり、
EQ向上の強力なパートナーでもあるのです。

「自分を知る」ことからすべてが始まる

EQの第一歩は、自分の感情や思考パターンを“認識”すること。
しかし石田先生は、「この認識フェーズに向かない時間帯がある」と言います。

それが「起床から15時間以降」。この時間帯は認知機能が低下し、
まるで酔っ払っているかのように合理的な判断ができなくなる。
だからこそ、大事な話し合いや感情的な決断はできるだけ起床から10時間の間
がお勧めです。

EQは感情を抑える力ではなく、「自分を知り、整える力」です。
自分にとってパフォーマンスが高まる時間帯を理解し、
その時間に合わせて行動をデザインすることが、EQ実践の鍵になるのです。

MoodMeterと睡眠日誌のススメ

セミナーでは、EQを高める実践ツールとして「Mood Meter」と
「睡眠の記録」が紹介されました。先生のレポートでも「睡眠日誌」
を紹介いただきました。

Mood Meterは、自分のEnergy(エネルギー)とFeeling(感情)を
「色と位置」で可視化できるツールです。日々の記録を重ねていくと、
「どんなときに、どんな気分になりやすいか」
「その気分はどんな行動に影響しているか」が見えてきます。

また、睡眠記録(日誌)は、感情の揺れと睡眠の質の関係をつかむうえ
で非常に有効です。「眠れていないときほどイライラしやすい」だけでなく、
「気分が落ち込んでいるときほど寝つきが悪い」ことにも気づけるよう
になるでしょう。

この“見える化”こそが、EQを高める第一歩。気合いではなく記録。
反省ではなく振り返りが睡眠にもEQにも大切なんですね。

「がんばる」から「整える」へ――
働く人のための新スタンダード

石田先生が語ってくださった印象的な一言――
「できる人ほど、眠れなくてもつい“なんとかこなしてしまう”。
でも、それがリスクです。」

EQとは、自分のコンディションを過信せず、適切に整えるための知性です。
だからこそ、がんばるのではなく整える。自分に優しい時間設計が、
結果として最高のパフォーマンスにつながる。

これは、働くすべての人にとっての“新しい当たり前”ではないでしょうか。

心の掃除(感情マネジメント)と、脳の掃除(睡眠マネジメント)。
この2つがそろったとき、私たちは本当の意味で「自分らしく働く」
ことができるのだと、あらためて実感しました。

さあ、今夜は脳にも、心にも、ひとつ深呼吸を。
がんばるのではなく、整える。
その選択が、明日のあなたを変えていきます。

当日ご参加いただきました皆さん、
ありがとうございました!
いたいだ質問は少しまとめて、こちらのブログで
出来る限りに回答して参ります。

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