日々是Is'+ (アイズプラス代表 池照ブログ)

Is'+の視点による人事、キャリア、その他もろもろについての徒然 ver.1

テクノロジーの進化と人間らしさと

■AIは敵か、味方か

「このままいくと、AIに仕事を奪われるのではないか」

──先日、とある企業のリーダーシッププログラムで、
そんな声が聞こえてきました。

正直、私自身もそんなことが頭によぎったことがありました。
でも、今年に入って本格的に生成AIを使い始めてみると、
今では、まるでパートナーのように、日々の情報収集や企画づくり、
価値づくりに役立ってくれています。

昨年と比べて一番大きな変化は、
仕事の進め方が「根っこから」変わったこと。
確かに、私たちの働き方は大きな転換点を迎えています。

AIは、速くて、正確で、疲れ知らず。
だからこそ、浮かび上がる問いがあるのです。

「では、私(人間)にしかできないことって、何だろう?」

海外メディア Allwork.Space の記事*には、
「成果を出しているビジネスパーソンの90%が高いEQ(感情知性)を持っている」
さらに、成果の58%はEQに起因するとありました。

スキルや知識が求められるのはもちろんだけれど、
「人としてどう在るか」が、成果や信頼に直結する時代。

今こそ、私たちが本質的に向き合うべき問いは、
“感情をどう扱うか”ということ。


■「もう スミマセンって言いたくない」

私が”感情”や“人間らしさ”ということに本気で向き合うきっかけとなった、
忘れられない出会いがあります。

当時私は、アメリカの外資系製薬会社で
ダイバーシティ企業価値を推進する役割を担い、
日々子育て支援制度や両立支援策の策定に走り回っていました。

ある日、面談にやってきたのは、
研究職として活躍していたワーキングマザーの女性。

彼女がぽつりと、
「もう、スミマセンって言いながら仕事するのをやめたいんです」
と、涙ながらに話してくれたのです。

会議に出られないと謝り、
子どもの発熱で早退するときも謝り、
保育園のお迎えで定時に帰ることにも謝る。

私自身が息子が1歳前で転職した会社でのこと、
私自身も同じように「スミマセン」を連発しながら
綱渡りのような日々でした。
目の前で泣きながら訴える彼女の姿は、私自身そのものでした。

制度や支援があっても、
心の奥にはいつも「後ろめたさ」がある。

そのとき私は痛感しました。

「制度」や「支援」だけでは足りない。
本当に必要なのは、“共感と協働がある職場”なんだ
と。

一人の感情に耳を傾け、互いに言葉にできる関係性。
そして、支え合う温かい対話こそが、人の可能性をひらくのだと。

■人間臭さこそ、価値になる

最近、McKinseyのレポート**では、
業務と学びを融合させる「インテグレーテッド・ラーニング」が紹介されています。

学びを“研修の場”から“現場そのもの”へ。
感情に気づくことを通して、人間らしさを取り戻し、
「その人らしさ=人間臭さ」が、大切にされる職場づくりが今、
求められているのです。

テクノロジーが進化するほどに、
本当に問われるのは、

「私たちは、どれだけ“人”を信じられるか?」
「どれだけ“感情”を尊重できるか?」
「どんな“心のある職場”をつくれるか?」


あなたの職場は
人同士が互いに共感し、その上で
テクノロジーとの協働ができていますか?

AIを味方にして協働するには、
EI(感情知性)の発揮が必要、というお話です 


*Allwork.Spaceの記事:
From Japan To Nigeria, AI Is Changing What Work Means — And Who Gets Left Behind

**McKinseyのレポート:
Reimagined: Learning & development in the future of work


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