日々是Is'+ (アイズプラス代表 池照ブログ)

Is'+の視点による”心豊かに働くをデザインする”+もろもろについての徒然 ver.1

「子育てにも活かすEQ講座」 ー6秒待てない自分との向き合い方ー 

EQは、リーダーのためだけのものにあらず。

■ 200名以上が集まった「子育てEQ」ワークショップ

三菱UFJリサーチ&コンサルティンググループ様への登壇も、
すでに数年目になります。これまではリーダー育成や
チームビルディングをテーマにお伝えしてきましたが、
今年は担当の方からこんな一言をいただきました。

「EQは子育てにも活かせるスキルなんですよね。
 子育てをテーマにお願いできますか?」

実は、毎回丁寧に取っているアンケートで、悩みとして最も多く
挙がるのが「子育て」や「家族との関係」なのだそうです。
かつての私自身もそうだったように、プライベートな関係性の悩みは、
そのまま職場のパフォーマンスにも影響します。それでいて、
家族の外には相談しにくいテーマでもあります。

土曜日の午後にもかかわらず、200名を超える方が集まってくださいました。
スタートしてすぐ、チャットには

「怒りに流されない親でいたい」
「子どもと安心して話せる関係を築きたい」

という声が次々と並び、その熱量に私自身が驚かされました。

 

■ リーダー育成と子育て、実は同じ力が必要

私は普段、企業のリーダーや管理職の方々にEQ視点の価値づくり
をお伝えしています。上司と部下の関係づくりのためのスキルだと
思われがちですが、当日のコメントを読みながら確信したことがあります。
EQが必要とされる場面は、職場も家庭も本質的に同じだということです。

「怒りに流されたくない」
「感情的にならない自分でいたい」
「子どもの言葉をまず受け止めたい」——

これらは、管理職の方から日々伺う悩みと驚くほど重なります。
相手の感情を認識し、自分の感情をコントロールし、関係性の中でより
良い行動を選ぶ。これがEQの本質であり、立場や場所を選びません。

 

■ 「トリガー」を知る、そして「6秒ルール」

ワークショップでは、自分の感情が揺れる「トリガー」
(イライラや不安が無意識に刺激される引き金)を知るワークと、
「6秒ルール」を紹介しました。トリガーの度合いは人それぞれ違います。
まずはそれを知ることが第一歩です。

怒りが湧くこと自体は悪いことではありません。怒りのピークはわずか6秒。
その場を離れる、深呼吸をする——
それだけで、衝動的な言葉を子どもにぶつけずに済みます。

当日、「6秒待っても情動が変わらない時はどうすれば」という
質問をいただきました。6秒は感情を消す魔法ではなく、衝動的な
言動を防ぐ最初のブレーキです。収まらない時は、無理に抑え込まず、
いったんその場を離れる。あるいは「今は難しいから、後で話そう」
と仕切り直す。それも立派なEQの実践です。

私自身は、実は6秒も待てません。
その代わり、怒りが湧いた瞬間、小さな自分の分身が現れて実況中継
するようにしています。自分を客観視することで、かなり落ち着いて
行動を選べるようになりました。私の場合、この「小さな自分」が
現れるのは6秒よりも前。「おっと池照、怒りが頂点かーーーっ!」っと、
すぐに実況が始まります。これだけでも、意識がそこに向く。
6秒待てない方には、こちらの方法もおすすめします。

 

■ 未来を描き、EQを社会インフラへ

ワークショップでは、子育てをプロジェクトとして捉える
「ニコワーク®」も共有し、それぞれが「ありたい姿」(未来像)を
描くワークを取り入れながら進めました。

EQは、特別な誰かのための特別なスキルではありません。
上司と部下、親と子、夫婦、友人——あらゆる関係性の質は、
自分の感情とどう付き合うかで決まります。企業の会議室で磨いたスキルは、
そのまま家庭のリビングでも力を発揮します。私たちが目指しているのは、
EQを一部のリーダーや組織のためのものにとどめず、社会の中で当たり前
に使われる「社会インフラ」にしていくことです。

様々な分野に活かせる「感情の活かし方」、今後も
皆さんと様々なテーマでお話できる機会が楽しみです♪ 


👉ニコワークについては、過去の記事でも紹介しています



 



 

その「モヤモヤ」、実は大切なサインかもしれません

今年も、
東京理科大学オープンカレッジで「実践で活かすEQ」の
講座が始まりました。

■感情は一つだけじゃない

初回の講座(Day1)では、受講生の皆さんから印象的な言葉が
いくつも聞かれました。

「感情って、一つじゃないんですね。」
「私は人の感情を聴くことばかり意識していました。
   でも、自分の感情を聴いていなかったことに気づきました。」

どちらも、とても本質的な気づきだと感じました。

私たちは日常の中で、「嬉しい」「怒っている」「不安」と、
一つの言葉で自分の感情を表現しようとしがちです。

でも実際には、「嬉しいけれど不安」「期待しているけれど怖い」
「達成感はあるけれど少し寂しい」というように、複数の感情が同時に
存在していることがほとんどではないでしょうか。

■感情は混ざって当然

感情が混ざっている状態は、整理すべき問題ではなく、
人間らしさそのもの。そして、そこには大切な意味があります。

EQを学びにいらっしゃる方の多くが
「感情をコントロールしなければならない」と考えています。
しかし、EQとは感情を消したり抑えたりすることではありません。

感情を理解し、その情報を活かす力です。

ワークショップでもよく紹介する心理学者ロバート・プルチックの研究
からは、基本となる感情が組み合わさることで、より複雑な感情が生まれる
ことを説明しています。

例えば、

・喜び+信頼=愛

・恐れ+驚き=畏敬(Awe) 

・喜び+恐れ=罪悪感

さらに、同じ二つの感情でも、その強さや割合が変わるだけで意味も変わります。
まるで料理のレシピのように、感情にも一人ひとり異なる「配合」があるのです。
だからこそ、「なんだかモヤモヤする」という感覚は、悪いものではありません。

むしろ、自分を理解するための入口なのです。

ロバート・プルチックの「感情の輪」については、
以前にもブログで紹介しています。

 

■自分の感情の読み解き方

自分の感情に気づくために、シンプルな3つのステップを紹介します。

1)Notice it(気づく)まずは心身に意識を向ける
 例えば、テストが嫌だな、、、お腹が痛くなってきた。など、
 感情だけでなく、身体に出る変化も感じ取ってみます。

2)Name it (名前をつける) その感情に名まえをつける
 例えば、テストが嫌だな、、、感じるのは、
 嫌悪、諦め、または、ズドーン、ぐったり、、、などオノマトペも
 使えますね。そうか、私はこんな気持ちか、とあらためて気づけます。

3)Navigate (活かす)この感情は私に何を伝えようとしている?
 と問いかける
 例えば、ズドーンとした気持ちから、「少し休み時間をとろう」、
 または「誰かに助けてもらおう」など次の一歩に向けた行動に目を向けます。

私は、この中で、「名前をつける」というプロセスがとても重要と
感じています。名前がつくことで、感情は漠然とした不安ではなく、
自分への情報であり、メッセージへと変わります。
実は、ネガティブな感情ほど、つぎの一歩につながる「活かす」につながる
ことが多くあります。

 「悔しさ」があるから「超えてやる!」と奮起につながった。
 「悲しさ」と「葛藤」が、孤独への耐性が強さになった。
 「嬉しさ」と「不安」の共存が、リスクマネジメントにつながった など。

講座でも、冒頭で紹介した気づきと同じように、
「自分の感情にもっと着目したい」という声が聞かれました。

人は起きてから寝るまで、ずっと何かを感じています。
ネガティブなものや、ふさわしくないと思い込んでいる感情に
蓋をしていることはありませんか?

EQは、自分を甘やかすためのものではなく、感情を知り、活かし、
自分を理解することで、より良い意思決定につなげることで、
関係を築きより大きな価値を生み出すための力です。
自分自身の感情の声を、どれだけ丁寧に聴いているでしょうか。

■感情は「資源」

だから私は、感情を「資源」として捉えています。
なぜなら、感情は、人が本来持っているエネルギーや情報であり、
気づき、理解し、活かすことで行動や判断につながるからです。

嬉しさも、不安も、悔しさも、迷いも、すべてが未来へのヒントになります。

次に「何だか言葉にできない」と感じたら、
すぐに答えを出そうとしなくても大丈夫です。

「今の私は、どんな感情が混ざっているのだろう。」
そんな問いを、自分自身に向けてみてください。

その混ざり合った感情の中にこそ、あなたらしい意思決定や行動につながる、
大切なヒントが隠れているはずです。


📅今年度の東京理科大学オープンカレッジ秋講座は、11月4日から
スタートします♪ ご興味ある方は、日程のブロックをお願いいたします。
申し込みはこちらから→ 

東京理科大学オープンカレッジ | 【オンライン】実践で活かすEQ(感情知性)


 



 

向かい風の中で しなやかに ー 女性リーダーとEQ ー

■毎年の鎌倉遠足

先日、とてもうれしい時間がありました。
ある大手メーカーでは、女性リーダー育成プログラムを長年企画し、
講師としても登壇継続しています。このプログラムの卒業生のみなさんが、
今年もそろって鎌倉に遊びに来てくれました。

プログラム受講の当時はこれからリーダーを目指す立場だった方々が、
いまではそれぞれ管理職以上の職位で活躍されています。毎年こうして
「鎌倉遠足」に集まってくださること――それが私にとって、何よりの宝物。
海風の心地よい街を歩きながら、近況やチームの話に花を咲かせるひとときは、
私自身が一番たくさんのエネルギーをいただく時間です。

(写真掲載にはご許可いただいております)

 

私は他にも、商社やITメーカー、研究所、法律事務所や
グローバル企業をはじめ、多くの企業で女性リーダーの育成に携わってきました。
その歩みのなかで、受講生のみなさんが口をそろえて話してくださることがあります。

■リーダーになって気づくEQの大切さ

「プログラムを受けた当時は、正直まだピンときていなかった。
でも、実際にリーダーとして人と深く関わるようになって、
あらためてEQの大切さに気づいたんです」と。そして
「いまだからこそ、もう一度ちゃんと学び直したい」
「EQを知ったことで、どんな状況でも自分で対応できるという感覚が
確かに高まった」と語ってくださるのです。役職や経験がその人を強く
するのではなく、人と向き合う“その瞬間の在り方”こそが力になる――
現場に立った方々の言葉だからこそ、深く胸に響きます。


■活躍を左右するのは「役職」にあらず

この生の声は、最近シックスセカンズが発表した査読付き研究論文
「Into the Headwinds(向かい風の中で)」*1 の内容とも、見事に重なりました。
114か国・43,080人の女性のデータを分析したこの研究は、職場での活躍や
ウェルビーイングを左右するのは「役職」などの職位(組織内のパワー)
ではなく、
・コミットメント(大切なことに注意を向け続ける力)
・レジリエンス(単なる立ち直りでなく、”前へ跳ねる”適応的行動)
・プロアクティビティ(準備が整う前に内的動機で動く力)
・イマジネーション(未知を描く力)
・リスク許容度(ストレスと複雑性を扱う力)

といった“習得可能なEQの力の力を発揮すること”だと明らかにしています。
特に、
コミットメント、レジリエンス、プロアクティビティの3つを備えた女性は、
いきいきと活躍できる確率がなんと8.6倍。また、役職に関係なく、
いつからでも、誰でも育てていけるのです。

この研究「Into the Headwinds」とは(向かい風の中で)の意味です。
向かい風の中で、いくつかの脳力や力を、単体でなく束となり、
しなかやかな強さをもって軽やかに前に進むようなイメージを込めていますね

■束で育つ力

論文の中で印象的だった部分の一つは、もっともEQの支えを必要としているのが
中間管理職層だという指摘でした。最も努力し、最も消耗しやすい立場
だからこそ、そこを支えることが組織全体へ良い波紋を広げていく。
受講生のみなさんが「リーダーになってから気づいた」と話してくれたこととも
符合します。研究では、これらの力は単独ではなく“いくつかが束になって、
一緒に育っていく”ものだと説明されていて、EQを一つの能力や単体の感情理解
だけでなく、複数の力を複合的に捉える学びの機会が有効と感じました。

「感情」をベースに、自分と周囲との関係性構築を継続する
EQの学びが、変化の激しい環境でもしなやかな意思決定や行動選択
につながっていることは、鎌倉遠足にいらした皆さんの発言からも
しっかりとつながる部分でした。

■世界の研究と、日本の現場が重なる瞬間

私がEQを伝える際にお伝えする 「日式EQ」 も、ありたい姿に向かって
5つの領域を伸ばしていく考え方です。今回の「カギとなる5つの力」
と重なる部分がとても多く、世界の研究と日本の現場での実感が同じ
方向を指していることに、大きな勇気をもらいました。
改めて、この学びを焦らず、地道に、ていねいに届けていきたいと感じています。

EQを扱えるリーダーが、一人、また一人と増えていく。それはきっと、
誰もが心豊かに働ける未来を、自分自身の手でデザインできるようになること。
受講生のみなさんがそうであるように、
いつか、「あのとき、この仲間とともに学んでよかった」と思える種を、
これからも蒔き続けていきたい。今年も、そんな願いを込めて、
各組織のプログラムを大切に育ててまいります。


鎌倉はいつでも皆さんをお待ちしております



 

2年前の自分に再会したら、ちゃんと前に進んでいた話

■【開催報告】
Designing Your Life ワークショップ in 建長寺結論から。

梅雨らしい雨が降る6月20日 無事に終了しました。
コンテンツはもちろん、運営も、ロケーションも、すべてが最高の一日
でした。
会場は鎌倉・建長寺。日本最古の禅寺の静けさのなかで、心にじわっと深く入り
込む、特別な時間になりました。

DYLは、スタンフォード発のデザイン思考をベースに「人生と仕事を描き直す」
公式ワークショップ。今回はタトル・モリ エイジェンシーさんとの共催、
講師は武井涼子さんです。

一番伝えたいメッセージは、これ。

「人生は解決すべき問題ではなく、エンゲージメントをもって取り組む冒険だ」

私たちはつい、「これさえ解決すれば」「このやり方でいけるはず」と思い込みます。
でも、その“思い込み(Dysfunctional Belief)”こそ、自覚しないとまた繰り返して
しまうもの。DYLは、リフレーミング・行動主義・好奇心・感情に着目する力で、
その枠をそっと外してくれます。Work/Health/Play/Loveのバランスを眺め、
ワイルドなアイデアを否定せず、変えられない「重力問題」は手放して、
まずは小さくプロトタイプしてみる——。

■2年前の資料を見返してみた

そして今回、私自身にも小さな再発見がありました。

私は、2年前に開催された日本での初回開催時の参加者であり、
当時の資料を見返したんです。仕事観・人生観に大きな変化はない。
でも——あの頃書き出した「いきづまり問題」が、ちゃんと改善されていました。
しかも、当日ご一緒した仲間のフィードバックがきっかけで。前日まで“他人”
だった方々に、です。

一方で、あの時描いた「人生の代替プラン」は…正直、ちょっと止まっていた。
だから皆さんのワークを眺めながら、こっそり私も描き直しました。
私のありたい姿は、「心豊かに働くデザイナー」であり続け、そのデザイナーを
増やす(育てる)こと
。今このタイミングで受け止め直せて、本当によかった。

関連書『スタンフォード式 人生デザイン講座』の最後の一節にも、改めて深く
うなずきました。

デザイナーは現実と闘わない。現実を直視し、あるがままを受け容れる。ライフデザインの本当の目的は、「調子はどお?」という問いに、はっきり答えられるようになること。


まさに、ここに行き着くのだなと。

■アイズプラスが関わるから。「振り返り会」やります!

今回は、アイズプラスが協働開催ということで、ワークショップ後の「振り返り会」
も予定されています。ライフデザインは、一度描いて終わりではありません。
日常に戻ってから「小さく試す(プロトタイプ)」こと、そしてそれを仲間と
振り返る環境があって初めて、変化が定着します。アイズプラスでは、
この「日常への落とし込み」までを伴走していきます。

すでに参加者の方からは、こんな声も届きました。

  • コンテンツも運営もロケーションも、すべてが最高でした! どんどん自分のなかでエネルギーが高まっていくのを感じました。
  • 自分の中でどんどん「思い込み」が外され、可能性と思えるものが倍くらいに増えた感覚です。

人生は、冒険。そしてこの冒険はデザインできる。
じかいは、この視点にまだまだ触れていない誰かと、
次回開催があればぜひ会場でお会いしたい!

全国から鎌倉に集まり御参加くださった皆様、
協働開催のタトル・モリエイジェンシーの皆様、
パワー全開で向き合ってくださった武井さん、
丁寧に準備を積み上げてくれたアイズプラスメンバー、
そして、今回荘厳な素晴らしい会場ご提供に協力いただき、
当日も沢山のサポートをいただいた建長寺の皆様に、
心から感謝いたします! 

既に「次はいつ?」と問い合わせを多くいただいております。
こちらについては、また別途相談しながらになりそうです。

あなたは今、どんな冒険の途中にいますか?

スタンフォード式 人生デザイン講座 (ハヤカワ文庫NF)

6月の建長寺は、深呼吸すると紫陽花と深い緑の匂いがしました。
(写真掲載は、皆様のご許可済です。)



【受賞報告】組織開発の主役は人が動く「現場」へ ー 価値創造を生む「感情資本」の力

いつも私たちの活動を応援いただき、本当にありがとうございます。

この度、大変光栄なことに2026年度
「SMB Excellent企業賞 組織開発コンサルティング部門」を2年連続で
受賞いたしました!私たちの取り組みや思想を素晴らしい形で記事に
していただきましたので、ぜひご一読いただけると嬉しいです。

▼受賞記事はこちらからご覧いただけます
感情は、チームの「かくれた資源」だった。
EQ×チームづくりで、人が自然と力を発揮する組織のつくり方 https://smbexcellentcompany.com/2026/isplus

今回の受賞は、日頃から私たちを信頼し、共に組織づくりに挑んで
くださっているパートナー企業の皆さまの存在があってこそです。
心より感謝申し上げます。

この受賞を機に、ここ数年で私自身が日々の現場で強く感じている
「組織開発の大きな地殻変動」と、これからの組織が向かう未来について、
こちらに綴ってみたいと思います。



■組織開発の起点が「人事」から「現場」へ

これまでの組織開発や人材育成といえば、人事部門が主導し、
全社一貫性あるプログラムや制度を導入していく形が一般的でした。
しかし、ここ数年の変化として、組織開発のご一緒をするカウンターパートが
「人事部門」から「現場部門」へと明確に移り変わってきているのを感じます。
実際に私自身、5年前には人事部門との対話が中心でしたが、ここ数年は
研究所長や製造現場の責任者、医療現場のリーダーから直接ご相談をいただく
機会が増えています。

具体的には、

  • R&D(研究開発)や研究所

  • 最前線の製造現場

  • 一刻を争う医療現場

といった、まさに企業の「価値創造の最前線」にいる部門からの直接の
ご相談が急増しているのです。

この背景には、従来の「上から降ってくる画一的な仕組み」だけでは、
現場が直面している複雑な課題を解決できなくなっているという現実があります。
現場のリーダーやメンバー自身が「いま、目の前にあるリアルな課題」を
一番深く認識しているからこそ、
「自分たちの手で、自分たちの組織を変えていくんだ」という強い当事者意識
が生まれているのです。

■ターゲットは課題解決の先にある「バリューアップ(価値づくり)」

現場主導の組織開発において、何より私自身のワクワクが止まらない理由が
いくつかあります。一つはその目的です。

単に「人間関係の摩擦をなくす」といったマイナスをゼロにするだけの
課題解決にとどまりません。現場視点で課題を徹底的に見つめ直し、そこから
メンバーの可能性を引き出すことで、結果として「より高いバリューアップ
(価値づくり)」を目指すプロジェクトをしかけているからです。

現場がイキイキと動き出すことで、新しい研究テーマが生まれたり、
製造ラインのイノベーションが起きたり、医療の質が向上したりする。
人事・組織の課題解決が、そのままビジネスの価値そのものを高めていく
プロセスに、継続的なパートナーとして伴走させていただけることは、
人と組織に関わる私たちにとっても、最大のバリューです。

そしてもう一つが、感情を軸とした経営への揺さぶりです。
現場の価値創造力を左右するのはスキルや制度だけではなく、
「感情」「信頼」「心理的安全性」「対話」といった見えにくい資源だと
実感しています。私たちはこれを『感情資本』と呼び、「感情」を、
変化を創り出す源泉と捉えて組織デザインに組み込んでいるのです。


■「現場の気づき」が経営と制度を動かす、嬉しい循環

さらに最近、もう一つの「嬉しい変化」の兆しを感じています。
それは、【現場での気づきや変化が、経営陣を動かし、制度設計や改定
へと逆流していく流れ】ができつつあることです。

現場から始まった小さなボトムアップの組織開発が、確かな成果や
エンゲージメントの向上として目に見えるようになると、経営層もその
価値を無視できなくなります。「この現場の成功事例を、どう全社に広げるか」
「この躍動感を支えるために、人事制度をどうアップデートすべきか」という
議論が自然と巻き起こるのです。

「制度があるから人が動く」のではなく、「現場で人が輝いているから、
それを支える制度が作られる」。このオーガニックで血の通った循環こそが、
これからの時代に求められる個を活かす「人的資本経営」であり、「感情資本」
の活かし方ではないでしょうか。

一緒に走る

今回の受賞は、私たちが信じて進んできた「現場起点の組織開発」
というアプローチへの、大きなエールだと受け止めています。

私たちはこれからも「人を変える組織開発」ではなく、
「人が自然と力を発揮できる場づくり」に挑み続けます。

その起点は人事でも制度でもなく、現場にいる一人ひとりの感情です。
感情資本が価値創造を生み出す社会へ。
アイズプラスはこれからも、その伴走者であり続けたいと思います。

関わって下さるクライアント、パートナーの皆さまに、
心からの感謝を申し上げます。これからも最高の伴走者として、
たくさんの「価値づくり」を共に生み出していけるよう、
さらに邁進してまいります。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします!



新しいプロジェクトがスタートする度に神社に
挨拶にいきます。最近は昼間の時間がとれずに夜に
うかがうことが多くなりました⛩
ここにくると、凛とした気持ちになれます。
@鎌倉鶴岡八幡宮





体験型チームビルディング『Cocoro Quest』ーAIが「答え」を出す時代に、チームの「ココロ」を取り戻す

今年度からスタートした新プログラム『Cocoro Quest』は、
更なる進化に向けて協働パートナーのインバイトジャパンチームとの
会議が進んでいます。
以下、レポートまとめました!遅くなってスミマセン💦

■AIが加速するほど、EQの価値は高まっていく

世界経済フォーラム(WEF)が発表した『Future of Jobs Report 2025』に、
私がずっと現場で感じてきたことを裏づける一文があります。

「自動化がルーティン業務を引き受けていくほど、
批判的思考・創造性・感情知性(EQ)といったソフトスキルへの
需要は高まっていく」

しかも同レポートは、リーダーシップや創造的思考、そして感情知性を
「AIに代替されにくいスキル」として明確に位置づけています。
理由はシンプルで、これらが複雑な対人関係と"共感"を必要とする、本
質的に人間的な力
だからです。

つまり——AIに任せられることが増えるほど、私たち人間に残されるのは
「人と組織を動かす力」になっていく。 これは脅威ではなく、むしろ希望だ
と私は思っています。効率化のその先で、私たちはようやく
「人にしかできないこと」に集中できるのですから。

今回はその「人にしかできないこと」を、頭ではなく
身体と感情でまるごと体験するプログラム——某大手メーカー様で実施した
体験型チームビルディング『Cocoro Quest(ココロクエスト)』の様子を、
参加者61名のリアルな声とともにお届けします。

■『Cocoro Quest』とは?ー 「EQの学び」x「体験型謎解き」

一言でいえば、「EQの学び」と「体験型の謎解き」を掛け合わせた、
まったく新しいチーム開発プログラム
です。

当日はまず、事前アセスメントで一人ひとりのEQ(感情知性)を"見える化"します。
そのうえで、非日常の「謎解きゲーム」にチームで挑戦していただく。
ゲームを通じて感情のメカニズムを整理し、「信頼で動くチームづくり」を
実践的に体感していただくのが狙いです。

プログラムの中で回していくのは、こんな"体験 → 気づき → 振り返り"の
サイクルです。

  • 挑戦(Challenge):難易度の高い謎に、チームで立ち向かう
  • 混乱(Confusion):一筋縄ではいかない状況で、感情が揺れ動く
  • 発見(Discovery):対話を通じて、突破口とお互いの特徴を見つける
  • 共感(Empathy):心理的安全性を土台に、相手の気持ちを察し、受け入れる
  • 協創(Co-creation):それぞれの強みを掛け合わせ、チームの力で成果を生み出す

注目していただきたいのは、「混乱」を避けずに、あえてくぐり抜ける設計に
なっていること。感情が揺れる瞬間こそ、EQが育つ瞬間だからです。

「こんな顔、久しぶりに見た」ー現場で生まれた感動

プログラムの最中、ある参加者の方が、興奮を隠せない様子で私に
こう声をかけてくださいました。

「メンバーがこんなに夢中になって取り組む顔、久しぶりに見ました。
いい仲間だって、あらためて感じています」

この一言に、すべてが詰まっていると感じました。

日々の業務では、どうしても画面越しのやり取りや、効率的なタスクの受け渡しに
終始してしまう。仲間の「感情」や「熱量」に触れる機会が、知らないうちに
減ってしまっているのかもしれません。

AIが答えを瞬時に出してくれる時代だからこそ、人間がわざわざ同じ場所に
集まり、時に「ぶつかり合い(混乱)」し、知恵を絞り合って「発見」へと
たどり着くプロセスそのものに、価値がある。

このプログラムは、AI時代だからこそ埋もれがちな「人の共創力・協働力・共感力」
を、もう一度強く呼び覚ます力を持っている!参加者の皆さまの生き生きとした
表情を前に、私はあらためてそう確信しました。

■参加者61名のリアルな声:アンケート結果

プログラム終了後、参加した61名全員から回答をいただきました(回答率100%)
そして、すべての評価項目で約80%の方が「そう思う」「非常にそう思う」と
回答してくださる、とても熱量の高い結果となりました。

📊 4つの評価指標(5段階評価)からの気づき

特に高い評価をいただいたのが、プログラム全体への満足度と、
「EQへの理解が深まった」という項目です。

頭で理解する座学ではなく、謎解きという"リアルな体験"を通すことで、
EQの概念が直感的に腹落ちしたという声を多くいただきました。

さらに
・チーム内の信頼関係や協力体制に、ポジティブな変化を感じた
・今日の気づきは、明日からの実際の業務に活かせる
という項目にも多くの共感が集まりました。
単発のイベントで終わらない、確かな手応え
感じていただけたのだと感じています。

📝 受講者の生の声(一部抜粋)

自己理解・"チームで考える"価値への気づき

  • 「プログラムを通して、自分のEQが理解できた」
  • 「一人の解決策では限界を感じた。多角的に考えるには、チームの力が必要だ」
  • 「メンバーのモチベーションを、第一に考えることができた」

プログラム内容・体験への評価

  • 「難易度がちょうどよく高かったので、飽きずに取り組めた」
  • 「意識せず、自然に協力できる内容だった。全員参加型で、チームワークに役立った」
  • 「仕事で得られるものとは違う刺激があって、楽しめた」

一部の方からは、「EQと謎解きの関係性を、もっと深く理解したかった」
「理論(座学)の部分がもう少しあってもよかった」という、
学びへの意欲の高さが伝わる前向きなご提案もいただきました。
こうした声こそ、私たちが次に活かしていく宝物です。

■明日から実践する「小さな一歩」

ワークショップのゴールは、意識が変わることではありません。
「行動が変わること」です。

受講者の皆さまからは、明日からの業務に活かす、具体的で
ポジティブなアクションを宣言していただきました。

  • 他者理解・対話を増やす
    周りの考えを理解しようと思う
    他人への興味・関心を持つ
  • 視野を広げ、柔軟に考える
    多面的な見方を心がける
    一歩引いて、全体を見渡してみる
  • 発信し、チームへの関わりを強める
    自分の考えや思いを、言葉にして正しく伝える
    発信を増やす(毎回の会議で必ず1つ)
  • 目標と行動の意識を高める
    ありたい姿を意識する
    ゴールの姿を丁寧に共有する

ありたい姿を意識する」という宣言が出てきたことが、
私はとても嬉しかった。EQ開発の出発点は、いつだって「自分はどうありたいか」
を知ることから始まるから。


■EQxチーム作りの可能性

『Cocoro Quest』を終えて、私はあらためて確信しています。
EQ×チームづくりには、まだ大きな可能性が眠っている、と。

Microsoft社が発表した『Work Trend Index 2025』は、これからの組織に
鋭い問いを投げかけています。「どの業務を完全に自動化し、
どこで"人とAIの協働"が突出した価値を生むのか。顧客が"人の手"を
期待するのはどこで、高リスクな判断に人の知恵が欠かせないのはどこか」
その見極めこそが、これからのリーダーに求められる仕事だというのです。

裏を返せば、AIに任せられる領域が増えるほど、
「人が集まり、感情を分かち合い、信頼で動く」時間の"密度"が、
組織の競争力を左右していくということ。私たちが現場で目にした、
夢中になる顔、自然に声を掛け合う姿、お互いの強みを引き出し合う姿は、
まさにその競争力の源泉そのものでした。

スキルの総和を超えて成果を生み出すのは、「信頼の掛け算」です。
一人ひとりの力をただ足し合わせるのではなく、信頼でつなぎ、掛け合わせる。
その瞬間に、チームは個人の総和をはるかに超えていきます。そしてその
"掛け算"を支える土台こそが、相手の感情を察し、受け止め、自分の思いを
言葉にする——これがEQの力なのだと、私は考えています。

だからこそ私たちは、このプログラムを"完成形"だとは思っていません。
体験から得る直感的な腹落ちと、理論による裏づけ。その両輪をさらに磨き
皆さまの現場で本当に役立つプログラムへと、これからも進化させ続けていきます。

もし、あなたのチームでも"あの夢中になる顔"を取り戻したい、
EQ×チームづくりに関心があるという方がいらっしゃいましたら、
どうぞお気軽にアイズプラス、またはインバイトジャパンまでお声がけください。
一緒に、人が主役のチームを育てていけることを、心から楽しみにしています。

ご参加いただいた某大手メーカーの皆さま、
そしてここまで読んでくださったあなたに、心からの感謝を込めて。

アイズプラス  

株式会社アイズプラス


インバイトジャパン

バイリンガル対応のチームビルディング研修 | インバイトジャパン株式会社




インバイトジャパン大槻さんxアイズプラス池照
これからも新たなプログラム開発を続けていきます








「これまで」の感情に光をあて、「これから」の偶然を味方にする——ありたい未来の描き方

■ライフラインチャートに描く「これまで」

毎年鎌倉を美しく彩る紫陽花の季節に入ってきました。

先週は「ウェルビーイングDays」にて一般の参加者の皆様向けに、
そして今週は長年ご一緒させていただいている法律事務所の若手弁護士
の皆様に向けた連続プログラムの「EQ×キャリア」ワークショップの
登壇でした 

対象となる方々の環境はそれぞれ異なりますが、両方のプログラムで
共通して取り入れた大切なワークがあります。
これまでの人生を「感情」とともに振り返る「ライフラインチャート」です

多くの人は、自分のキャリアを
「転職した」「昇進した」「ライフイベントがあった」
というように、目に見える“出来事の連続”として捉えがちです
しかし、EQ(感情知性)的な視点で見ると、少し異なる景色が
浮かび上がってきます

私たちの人生は、ただ出来事が勝手に起きているのではありません
「感情」が動き、それによって何かを選択した結果が、
次のアクションや出来事へと繋がっているのです

例えば、「転職したからキャリアが好転した」のではなく
「『このままの環境じゃ嫌だ!』という強い感情が湧き起こったからこそ、
転職という一歩を選び取った」ということ
このように感情を起点にして過去を紐解くと、「なぜあの時、あの決断をしたのか」
が驚くほど腑に落ち、自分らしいキャリアへの納得感が生まれます


■「あるべき」に囚われていた、かつての自分

今でこそ、私は「感情マネジメント」や「EQ」をベースにした
キャリア構築を、今でこそ自信をもってお伝えしていますが、実は私自身、
かつては自分の感情にカチッと蓋をして生きていた一人でした

親からの期待や、世間一般的な「こうあるべき」「普通はこうするもの」
という枠組みを最優先し、自分の中の「本当はどうしたい?」
という小さなワクワクや違和感(感情)を完全に無視して選択を続けていた
時期があったのです。

誰かの正解を生きることは、思考や感情を放棄している状態した。
けれど、自分の感情を置き去りにした選択の先には、いつもどこか
満たされない感覚や、理由のない息苦しさがありました。

「自分自身の感情に耳を傾け、それを羅針盤にしていいんだ」

そのことに気づき、自分を解放できた時の感動と安心感こそが、
今、私がこうして皆さんとワークショップをご一緒させていただいて
いる原動力そのものになっています

 

■偶然を味方にする「5つの感性」

ワークショップでは、過去の感情パターンを理解した上で、
未来の「ありたい姿」を描き、それを手繰り寄せるための
「計画された偶発性(プランドハプンタンス理論)*1」も学びます

キャリアの8割は予期せぬ出来事で決まると言われますが、
その偶然をただ待つのではなく、自らチャンスに変えていくためには、
次の5つの感性(スキル)が鍵となります

  • 好奇心:新しい学習の機会を模索し続ける

  • 持続性:壁にぶつかってもあきらめずに取り組む

  • 柔軟性:状況の変化に合わせて自分をアップデートする

  • 楽観性:偶然の出来事を「チャンス」として意味づける

  • 冒険心(リスクテイク):結果が不確かでも一歩踏み出す

壁にぶつかった時の『不安』をどう扱うか、
不確かな変化への『恐れ』をどう手放すか。これらもすべて、
ベースにあるのは感情マネジメントです
自分の心や行動のクセを知り、日常の小さな選択を変えていくことで、
驚くほど素敵な偶然があなたの未来に舞い込み始めます


■なりたかった自分がいた!

参加された皆様からは、

  • ライフラインチャートに『感情』を入れて振り返ったのは初めてで
    新鮮だった。感情起点の方が納得感がある
  • 自分を客観視して誰かに話すことで、とても前向きになれた
  • 感情をベースに振り返ったら「なりたかった自分」と会えた気がする

といった嬉しいコメントをたくさんいただきました。

イギリスの作家ジョージ・エリオットは、こんな言葉を残しています。

「なりたかった自分になるのに、遅すぎるということはない」

これまでの人生を愛おしみ、これから出会う偶然をすべて味方にするために。
まずは今日、あなたの心が「何にワクワクし、何に違和感を抱いているか」、
その声にそっと耳を傾けることから始めてみませんか?


皆さんの「ありたい姿」に向かうキャリア・人生デザインを、
これからも心から応援しています


今年のウェルビーイングデイズご参加者の皆さんと!