先月、クライアントとして3年伴走する企業で
評価者研修を実施(登壇)しました。
新人事制度を導入し、特に「現場対話」を意識して
面談や評価のしくみを学び現場で実践してくる中、
皆さんが特に注目されたのがフィードバックです。
参加者の方から
「フィードバックが大切なことは分かっているんですが、
職場でどこまで正直にものを言っていいのか、、、、悩みます」
というコメントもありました。
そんな時、
先週、フォローしているアダム・グランド氏の X(旧Twitter)から
こんなメッセージがあったので紹介します。
■正直なメッセージ
日本語に訳すと
建設的な意見があれば、それを口にすることは失礼ではない。正直に話すことは、相手の真実を扱う能力を尊重しているというシグナルになる。
アイデアを提供することは、気遣いの行為である。
フィードバックの目的は、
・人材育成 と
・対話・相互に関わる文化の醸成 であり、
・企業目的、目標の達成 です。
この根底にあるのが
「社員は、経営のあるべき姿に従って、指示・指導によって成長する」よりも
「社員は、共通にありたい姿を描き、互いの建設的な対話による成長する」
という視点であるということです。
もちろん、建設的な対話に重点を置いたからといって、指示指導をしない
訳ではありません。根っこの部分で相手(社員)をどんな存在と捉えて
いるかが違っています。
そして、互いの「建設的な対話」には、
互いに正直な意見を出せる環境や文化づくりが必要になってきます。
いくらこの対話方法や傾聴力スキルを磨いたとしても、
そもそも建設的な意見が出せない雰囲気の中で人は意見を言いません。
■フィードバックはスキル<文化
フィードバックは学んで発揮するスキルよりも
習慣的に文化として導入することを目指すのはこのためです。
フィードバックを徹底的に企業文化に導入し、
組織を成長に導いた例としては、今年7年連続で
「働きがいのある会社」1位を取得しているコンカー社の事例があります
コンカー、「働きがいのある会社」ランキング(中規模部門)にて 7年連続で1位を獲得、10年連続でベストカンパニー賞を受賞
- コンカー社は立ち上げの時期に人事制度をづくりのプロジェクトに
入らせていただき、役員やキーパーソンのヒアリングから、
コンセプトづくり、人事制度の骨格作り、そしてEQベースのリーダー
シッププログラム導入などをご一緒した会社です。
コアバリューxEQで挑戦する「高め合う文化」(2021年記事)
https://is-plus.jp/case-study/article/kHE_lPlS
コアバリューを中心に徹底した互いに高め合う組織文化づくりを進め、
”No Feedback, NO Concur” というスローガンのもと、
フィードバックを手段として徹底的に導入実践を継続されています。
■フィードバックに感情というスパイスを
では、私たちが
「建設的な意見を正直にフィードバックする」には
どうしたらいいのか?
建設的(現状をよりよくする積極的なさま、姿勢)で
正直(偽りやごまかしをしないさま・姿勢)を意識すると
思わず肩に力が入って何も言えなくなりそうですが、
EQを取り入れたリーダー/評価の学びの場では、
FESを活用したフィードバックをお伝えしています。
Fact: 事実を共有する
Express/Emotion: 感情を伝える
Suggest/Solution: 提案や解決策など
例)
この前のプレゼンは内容もよくて皆さん積極的に聴いてくれてましたね(Fact)
内容はよかったけどちょっと残念に感じたことがあって(Express/Emotion)
内容いいんだから、表情も明るく大きな声で話してくれたらもっと伝わります。(Slution/Suggest)
Express/Emotionを表現する量と質は、相手によって調整が必要です。
全ての感情を出せばいい訳ではなく、あくまで、現状をよりよくする
建設的かつ正直なフィードバックにつながるかを考えて入れていきます。
フィードバックにおける感情はスパイスとして入れて
いい塩梅をで最高の味に仕上げていただきたいのです。
先日いただいた受講生からのコメントがとても嬉しかったものでした。
「実際にFESを意識してネガティブな内容もフィードバックするように
なったところ、メンバーの眼の色が全然違って明るくなり、質問も増えました。
これまで嫌われると思って避けてきたフィードバックでしたが、
今後はポジティブだけでなくネガティブフィードバックも意識的に
取り入れてリーダーとして自分も成長したい」
私自身、共通の目的達成に向けた建設的でフィードバックを学び、
我チームと協働する皆さんと「高め合う文化」づくりに貢献して参ります。
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フィードバックを学ぶにお勧めの書籍を一つご紹介
コンカー社の元代表取締役 三村氏の書籍です→
FESは拙著『感情マネジメント』第四章でご紹介しています
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