日々是Is'+ (アイズプラス代表 池照ブログ)

Is'+の視点による人事、キャリア、その他もろもろについての徒然 ver.1

心に残ったのは、言葉にできていないこと 

昨年から担当している山野山野美容芸術短期大学での授業も
2年目となりました。1年生に向けて必須科目として「感情マネジメント」を
担当し、今年4月からは2年生に対して「協働プロジェクト」の
授業担当がスタートしました。「感情」にまつわる授業とは?
オンラインでそれを提供するとは? 今の探求の旅の途中です・・・

■「感情マネジメント」の授業

「感情マネジメント」を15回の授業で伝えていくか、
これは私にとって大きな挑戦で課題、そしてわくわくする機会です。

この授業の目的は、
「感情マネジメントを知り、自らを知り・感情を活かすスキルを学び
学校生活や社会生活で活かすこと」です。
感情マネジメントを学んできた私自身が、学生の頃に学びたかった内容です。

「感情」について学ぶことにピンとこなかった学生がほとんどでしたが、
15回の授業機会を経て、自分と向き合い、他者と関わり合うことで
少しずつ彼らが変化していく様子を目の当たりしました。

この授業は、TA: Teaching Assistant(ティーチングアシスタント)
の先生と一緒に授業を進めています。4クラスもっているので全部の4名の
TAの先生、全員がEQの資格保有者であり、社会経験がある先生方です。
今回、私たちが初めて取り組んだ「感情マネジメント」の授業について、
TAの一人である杉山先生がコラムを書いてくださりました。
実際に授業を受けた学生にインタビューしてくださった内容です→


■正解はあなたの中だけにある


15回の授業を振り返ってみると、それは
「言葉にできないことを、伝える」訓練の一つでした。

授業では毎回、チェックインとしてMoodmeterを使って
その時のエネルギーレベルとフィーリングレベルを
1~10点で点数化して、そしてそれはなぜか?を
チャットに入れてもらいます。
点数化や定義はあくまで「自分がどう感じるか」=主観です。


1年生の最初の授業で紹介したところ、数名の学生から
「何を答えたらいいんですか?」と質問がありました。
何を選択すれば正解になるのか、分からない、、、ということです。

「自分の身体、自分の感情のレベルがどの位置にあるか、
主観なのだから正解をもっているのはあなた自身、
まずは自分の身体と心と向きあって数値化、ラベル化してみる」
と伝え続けました。
それでも、学校で実施する授業は何か正解があり、
その正解を出すことが良いことという教育を受けてきた
彼らにとって、いきなり「自分の身体と心に訊く」といっても
簡単なことではありません。このようなテーマで質問されること、
都度自分と向き合うことに慣れる事、授業はこのような習慣化も
含め、進んでいきます。

■チャットが2行になった訳

1年生でMoodmeterを毎授業で体験した彼らが、
4月から2年生に進級しています。
2年生になった彼らとは、「協働プロジェクト」をテーマに
授業がスタートしたばかりです。

協働プロジェクトは、未来に向けた課題解決・提案を、
チームで取組む体験型授業です。
この授業でも、授業開始のチェックインではMoodmeterを
取り入れています。先週授業の3回目を終えたところですが、
私は、ある変化に気づきました。

チャットに入れるMoodmeterの入力が2行になってる学生が増えた!

つまり、
 青 眠い
 青 寒い 
 緑 天気いいから    など、
自分の状態を表すものが一言、ワードだけだったものが、

 青 寝不足だし午後にテストがある 
 緑 昨日バイトで疲れてるけど午後友達とご飯にいく
 黄 天気いいし、週末は遊びに行く予定があるから嬉しい 

自分の状態を、より詳しく説明する一文になってきているのです。
授業では、説明をすることや文書にすることは特に課しておらず、
インストラクションは何も変わっていません。
ただ、チャットが2行になり、より自分のことを自分から発信する
度合が増えています。

この変化はこんなことが言えるかと、

・自分と向き合うことへの習慣化
 自分を見つめ、向き合い、発信することに慣れたこと
心理的安全の高まり
 どんなことを発信しても否定されることがない、自分のこと素で入れる
 安全な環境という認識がある

・発信に向けた習慣と語彙力の高まり
 授業では自分の発信を言語化し、クラスメイトの発信と共有し、
 あらためて自分の発信を見直して言語化します。他の人の表現を
 見ることで語彙を学び、発信の習慣になっている

そして明らかに、グループワークの時間の話量は増えています。

もともと、一人ひとりは豊かな感情をもっています。これまで
同調圧力や制約があったとしたら、そのような思い込みを外し、
自分を起点に意見をもち、出すことも授業が期待する成果の一つです。
1年生で自分の視点をもつことを学び活かせたことが、形になって
きていることを実感しています。

さて、2年生、
今期は、自分の視点・意見をもつだけでなく、チームとして
互いの意見を出し合い、目的に向かって協働することにチャレンジしていきます。

授業はあと8週、これからの変化がますます楽しみ。
彼らにも自分達自身の変化を感じ取ってもらいたいです。



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 この度Audioble(オーディオブック)も発売となりました!

感情マネジメント――自分とチームの「気持ち」を知り最高の成果を生みだす


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