私のキャリア感の軸となっている
「計画された偶発性:Planned Happentance Theory」
の提唱者であるスタンフォード大学の
ジョン・D・クランボルツ教授が亡くなりました。
10年以上前に来日された際、一度お話をうかがいにいったこと
があります。とてもお元気そうで、笑顔が印象的な先生でした。
https://www.ncda.org/aws/NCDA/pt/sd/news_article/230713/_PARENT/layout_details/false
20世紀末に提唱されたこの考え方は、
・個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される
・その偶発的なことを意図的に作り出していくことで自らのキャリアを
つくっていくべき
といういもので、それまでキャリアを創るには、
キャリアゴールを設定し、そこに到達できるように
経験や能力開発を積み上げ、つくりあげていくものという
考えが主流だった世界からの大きな転換でした。
教授らの調査によると、
18歳の時になりたいと思っていた職業についている
一般的なアメリカ人は、全体の2%に過ぎず、また、
社会でいわゆる「成功」とされるキャリアを歩んで
きた方々に対する調査では「自分の現在のキャリアは
偶然によるもの」と答えた方が全体の80%に上りました。
では、キャリアの8割が偶然の出来事によって左右され、
自分でも予想もしないことに興味がわいたり、急に学ぼう
と思ったり、思いもよらないことからきっかけがつながったり
するなら、この「偶然」をどう扱っていったらよいか。
それならこの「機会」を増やし、自身のキャリア形成に
取り込んでしまうことで「自分のありたいキャリアをつくる」
ことに近づけていこう!というとてもポジティブで楽観的な
考え方であり視点なのです。
そして教授はこの機会をしかけてつくるために、
この5つポイントを磨くことが重要と説いています。
- 好奇心:たえず新しい学習の機会を模索し続けること
- 持続性:失敗に屈せず、努力し続けること
- 楽観性:新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
- 柔軟性:こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
- 冒険心:結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと
10年以上前に講演会にうかがった際、
会場からの「もう少し楽をしてお金を稼ぎたいと思っているが
どうしたらいいか?」のような質問に、先生は
「宝くじにあたりたいと思っている? なら、まず
宝くじを買いにいきなさい。どんな場所で買えば当たるか、
当たったらどんな風に暮らしていこうかを夢を見て、
楽観的な気持ちをもっていろいろ試してみなさい。
そして継続してみることだよ」って笑顔で答えていらして
何だか当たり前といえば当たり前、ですが、会場から
笑いが起こり、周囲の方と「買いにいかなきゃね」なんて
話をしたことを覚えています。
”手に入れたいと願うなら行動しなさい、
機会はそのために何かしている人がつかむもの”
私にはそんな風に聞こえたメッセージでした。
それ以来、「偶然をしかけて楽しむ」を
私自身もキャリアの考えにとりいれています。~
私が提供させていただいているキャリア/リーダーシップ
セミナーでも理論紹介の際には必ず紹介します。
また、この5つの考え方全てが
EQ(感情知性)開発の項目に含まれているのです。
EQの開発=計画された偶発性を高めるになっているのです。
セミナーの冒頭で明確なゴールや目指す姿が描ききれない
場合でも、この理論に共感する多くの方々がこの5つのポイント
を中心に開発をスタートさせ、ポジティブなキャリアへの
転換を実現しています。
先生のご逝去は悲しい知らせではありますが、
先生のこの考え方と出会えたおかげで、それまで
固定的にキャリアに捉えがちだったものが変わりました。
何よりまず、5つのポイントを少しだけでも意識する
ことで仕事だけでなく人生そのものに起こる全てが
「機会」と捉えられるようになったものです。
来週も某企業でキャリア&リーダーシップを
お話してきます。先生の理論も紹介しながら。
感謝と御礼を込めて。

- 作者: J.D.クランボルツ,A.S.レヴィン,John D. Krumboltz,Al S. Levin,花田 光世,大木 紀子,宮地 夕紀子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2005/11/18
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