■「人材育成」は誰のものか
「人材育成」という分野に関わって20数年たちます。
ありがたいことに様々な企業などで
教育のしくみ作りに携わらせていただく機会を
いただき、また、
人前に立って人材育成を語らせていただく機会を
もいただきます。
私がまだ新人だったころ(1990年代)の「人材育成」
の定義は”会社で成果が出せる社員を育成する”でした。
おそらく、2019年の現在も多くの会社の定義は
変わりません。
日系企業では長期間に渡る潤沢な新人研修があり、
数年たてばその会社の言葉で語れる戦士を作り上げる
ような研修が用意されていた(いる)のです。
それが、愛情いっぱいの丁寧な方法であれ、
もしくは、愛の鞭的なアプローチであれ。
そんな文脈から解釈できるのは、
”人材育成は会社が提供するもの”でした。
■人材育成は Invest (投資)という考え
ざっくり20社の事業会社からNoをつきつけられ、
どっからも採用してもらえなかった私を一番
最初に採用してくれたのはM&M's チョコなどを
扱う米国の食品会社Mars でした。
私はMarsで人事という世界の基礎を学んだといっても
過言ではありません。
当時上司であったイギリス人女性とミーティング
をした時のことを今でも鮮明に覚えています。
それまでに聴かれたことのなかった
「あなたはどうしたいの?」
「あなたは何をめざしているの?」という
「私」を主語にした質問の仕方は、私には
ほぼ初めてだったからです。
極めつけは、
「あなたなあなたの時間とお給料の何%を
自分に投資するの?」と聴かれたことです。
思わず黙って白目向いてたかもしれません、、、。
あれ 会社の人材育成って、
会社って研修とかトレーニングとかしてくれる
ところじゃないっけ???
あなた副社長で私はペーペーで、投資って
あなたが私にしてくれるんじゃあ???って
思ってましたから。
このテーマを通して私が彼女(Mars)から
教わったことは、
・研修やトレーニングは必要と思ったら
自分から声をあげるもの
・給料や時間から自分に投資する視点
をもつこと
・自分のキャリアは自分で責任をもつこと
私は彼女から 人材育成の意味を
「会社に成果をもたらす人の意図的育成」
よりも、
「自分のキャリアを継続的に高めるための投資戦略」
と教わったのです。
人材育成は、自己育成。
自分の将来に備えるための投資の視点が
根底にあるということですね。
■「今 決めなさい」
イギリス人上司の彼女は
「今こころで何%の投資をするか、数字を決めなさい」
と矢継ぎ早にせまります。
とにかく話の整理が必要で頭ぐるぐるだった私が
絞りだした投資%が「5%」でした。
お給料が 月額200,000円なら 5% は ひと月1万円、
一日のうち自由になる時間が例えば8時間なら、
ひと月で自分の投資する時間はひと月12時間ということです。
20歳台だった私でも、
ひと月このくらいなら何とかなるな~って思った
投資数字です。翌月から、私はこの5%を
自分なりに楽しむキャリアがスタートしました。
実は私は、このキャリア当初に彼女と取り決めした5%を
今でも守り続けていいます。
”自分の将来に向ける”という視点なら、忙しい時期は
本を読むでも、旅行に行くことも私にとっては
将来を創るひとつの学びになると解釈すれば、この5%の
活用はいかようにも広がります。
クライアント企業で毎年担当するリーダーシッププログラムを、
今年も担当させていただきました。
大学院の進学を本気で検討しているような素振りを見せた
「若手ホープな彼」でしたが、人事の方が「以前のように会社
が全面的に金銭支援をすることはないです」と告げたとたん
「それならやる意味ないですよ」と話が終了。
この4ケ月に渡るこのプログラムはまさに
彼のような社員に送る 「自律キャリア」 への転換を
促すものなのです。
毎回、リーダーシップを学ぶ内容と合わせて、
この「5%の自分投資」の話をしています。
彼だけでなく、参加者の数名は数か月後に”自分から何かを
スタートさせよう”と目の色が変わってきます。
厳しくこわーい上司でした(ゴメンナサイっ)が、
彼女の様々な問いかけは、私のキャリアを変えました。
自分のキャリアは自分で責任をもつこと、
そして投資には誰の許可も承認も、制度をまつことも
必要なく、自分でその割合を決め、とにかく
動き出すことです。キャリアの初期にこのメッセージ
をとりいれられた私は、非常にラッキーだったと
今でも感じています。
今年 9/27, 10/26に予定している「ステキヲツクル」にご登壇いただくのばさんこと野林さん、事務局を務めていただくあきりさほさんとのミーテイング@鎌倉でした。
これも私にとっては、「聴きたい人に聴きに行く」5%の自己投資です。自分だけでなく、集まって下さる皆さんとのシェアという形をとっています。後日案内します ぜひ皆さんお越しください♪
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アイズプラスからのご案内など
■ EQ関連のインタビュー記事
【EQ仲間に聴きに行こう! ランスタッド株式会社編】
EQ(感情知性)プログラムを全管理職に導入した
ランスタッド株式会社では、社員のみならず事務局の篠原さんにも
大きな変化がありました! 池照によるEQ仲間へのインタビュー
第二弾です!
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ステキヲツクル2019 【野林徳行+池照佳代(モデレーター)】第一回目@鎌倉 | Peatix
今年もやりますアイズプラス池照が企画する
「聴きたい人に聴いちゃおう」企画です。
リクルートのゼクシィやローソンのミッフィー、リラックマなどの
企画を手掛けた世界のステキを作るステキプロデューサーであり、
マーケティングの神様、のばさんこと野林徳行氏による2回連続
セッションです。
ぜひ、お越し下さい♪
■ 日経ビジネススクール
【女性リーダーのための「周囲を巻きこむ」コミュニケーションスキル 10/25 】
お陰様で毎回満席状態の人気講座となっています。
周囲を効果的に巻き込み、成果につなげるための
EQ(感情知性)のいかしかたを学びます。
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行動傾向が把握できるようになっています。様々な立場で
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年内最後となります!
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そしてEQプロファイラーでもある福島のレポートです
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