日々是Is'+ (アイズプラス代表 池照ブログ)

Is'+の視点による人事、キャリア、その他もろもろについての徒然 ver.1

「異」に挑戦するキャリアピボットとは  

多くのキャリア相談を受ける中で、
最近多く質問をうけるものの一つが、
「自分の経験や強みのいかし方がわからない」
というものです。経験がない訳じゃない、なんとなくこれが強みかな、、、
というのもおぼろげながらわかってきた中、どうやって今後の仕事を
捉えればいいか、、、というものです。

この相談を受けて、私自身が経験したキャリアピボット転職が
参考になるかなと。今日は、そのご紹介をしていきます。

 

■ピボットキャリアとは

私はこれまでのキャリアで6回転職しています
(起業を含めると7回)。
学校を卒業して1年だけ務めた英会話学校を除き、
最初に事業会社として就職した米国の食品会社(Mars)を
皮切りに、自動車会社(Ford)、スポーツ用品会社(adidas)、
出産してから転職した製薬会社(Pfizer)、そして産業製品会社(Pall)と
全て業界を変えていますが、「人事職」は変えていません。
実は、私は意図的に異なる業界への転職をしています。

これが、「ピボットキャリア」です。
バスケットボールやスノーボードなどで軸足を動かさずに回転する
意味でつかわれる「ピボットターン」からきています。


自分の経験や強みを軸にして、
経験のない業態や領域にキャリアを展開させていくことを言います。

■もともとは事業の方向性を変えること

もともと、Pivot には旋回軸や方向転換などの意味があります。
マーケティングの世界で用いられる際には、「事業やサービスの方向性を変える」
という意味でつかわれ、米国のシリコンバレーなどで生まれた表現
といわれています。

シリコンバレーのスタートアップ企業などが事業における「方向転換」や
「路線変更」することを指します。

例えば、
誰もが知っているSNSのスタンダードツールであるFacebookは、
もともとは大学内の学生向けに開始されたサービスでしたが、
サービス対象を一般向けにピボットさせ、現在はSNSインフラ
の一つとなっています。

日本でも、
富士フィルムはコア事業であった写真フィルムの需要が激減する中、
技術を軸にピボットを繰り返し、現在では化粧品やヘルスケアなどの
異分野に進出して大きな成功を収めています。
新たな分野への進出は、フィルムの主原料であった
コラーゲンの生成技術の活用によって化粧品へ、
そしてフィルムの薬品化学構造をベースとした技術返還に
よってヘルスケア領域へ、それぞれピボットさせて事業の
転換を果たしているです。

これらの例からも分かるように、
「ピボット」は、いきなり新たな分野やことに飛び込むのではなく、
既存の強みや経験を軸として異分野や異領域、そして異顧客への
事業転換を図ることです。

■ピボットでキャリアをくるっと転換する 

ただ、ピボットによる事業転換が事業の成功を約束している訳ではありません。
軸を見いだして転換しようとしても、
市場やターゲットのニーズが必ずしも合致する訳ではなく、
そこに飛び込むには、より自分たちの製品やサービスの強みや特徴を
よく知ること、製品やサービスを通して描く世界をよく吟味すること、
そしてタイミングを計ることも重要な視点となります。

キャリアの場合も、同じようなことが言えます。
経験や強みといった軸があるからと言って、やみくもに
くるっと転換させることが全て成功する訳ではないでしょう。
それでも、私自身はこのキャリアピボットの考え方を活用して
キャリアを展開させていくことに可能性を感じています。

私自身は、2社目の自動車会社に行った際、
「人事」という仕事の奥深さと可能性を感じことから、
自分が将来挑戦してみたいことが
「人のモチベーションや働きがいは、業種や業界で異なるのか?
これを自らの目で確かめたい」と思ったのが見てみたいビジョン
でした。そこから、転職する際は「人事という軸をずらさず、
業界を変える」を意識的に挑戦していったのです。 

キャリアピボットに挑戦するには、
それまでのキャリアで得た経験はから「何ができるのか(Can)」、
この経験から得た自分の何が「強みや得意か(Strength)」、
から「軸」を見いだしてみましょう。

そして、CanとStrenghを中心に「軸」を言語化し、
興味のある分野でご自身がその軸を活かしている
世界をイメージしましょう。
少し考えイメージする時間をとったら、あと
必要なのは「飛び込んでいく力」です。

バスケットでもスノーボートでも、
ピボットした後もゲームや競技は続きます。
キャリアも、継続していくのですから!

ちなみに、
キャリアピボットによって様々な業界を経験した私の挑戦
”人のモチベーションや働きがいは、業種や業界で異なるのか?
これを自らの目で確かめたい”ですが、
私の5つの業界での人事経験から言えることは、
「どんな業界でも、”好き”な領域で、”強みや得意”をいかし、
つねに”わくわくな気持ち”をもって仕事をしている人は強い」です。

人生100年時代、
働く期間はおそらく60年、
キャリアピボットという考え方は私たちのキャリアを
より柔軟にし、新しい可能性を広げます。

自分ひとりでは思いつかない場合は、
信頼できる人に相談する、
強みなどを言語化するサービスやツールを活用する、
キャリアピボットしてるなぁと思う人の話を聞くなど
様々な方法があります。

キャリアを転換する「転職」から
強みをいかして「異」に挑戦し、キャリアを展開させる「展職」に、
挑戦する皆さんを応援してまいります。 


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