日々是Is'+ (アイズプラス代表 池照ブログ)

Is'+の視点による人事、キャリア、その他もろもろについての徒然 ver.1

ビジネスには「オタ活」と「推し活」の両方が必要

ビジネスは、
「オタ活」と「推し活」で回っている。

多くの組織が目標設定をする時期に、あらためてそんなことを想っています。

そもそもオタ活とか推し活って?ということで
まず、辞書で引いてみました。

「ヲタ活」(オタ活)とは、
オタクの活動、すなわち、オタク的とされる趣味の分野における活動
を意味する言い方。ある事に過度に熱中し、詳しい知識をもっていること。
また、そのような人(例:アニメオタク)

「推し活」とは、
「推し(自分にとってイチオシのアイドルのメンバーやアニメのキャラクター)」
に情熱を注ぐ活動の総称。推しへの愛情に関連づけられるあらゆる活動が
「推し活」に該当しうる。 
Weblio国語辞典)
 

  


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「○○がしたい!」「こんなビジネスで世界を変えたい!」
自分がやりたい、好きな、ありたい姿を描いて周囲に伝え、
ファンを増やしていくことがビジネスになります。
これ、完全なオタ活ですね。 

一方で、世の中は「○○したい!」という人ばかりではありません。
誰かの考えや理念に共感し、ファンになり、応援したいという原動力
で活動を進める人、それが好きな人もいます。
これ、完全な推し活ですよね。

■「やりたい事」がなくて苦しむ

私の講座の受講生の方で、「やりたい事がなくて苦しい」と
吐露してくださった組織リーダーの方がいらっしゃいました。
所属している会社は、人材マネジメントに非常に熱心な会社で、
社員全員が夢や目標を明確にして自律的なキャリアを目指すことを
奨励され、EQなどの研修も継続的に取り入れている会社です。

ですが、この方は自分発でなかなか夢や目標、「ありたい姿」が
言語化できず、自分はリーダーとして適格ではない、と
感じてしまっていました。

私が「誰かの”やりたい”を応援することはできますか?」と
質問すると、パッと顔をあげ、「はい、もちろんです!」と
応えてくださいました。会社の理念や目指す方向におおいに共感し、
応援したい。部下や同僚のやりたいことの実現には全力で支援したい
と常に動いています。「誰かの夢を全力で応援すること自体が
あなたの「やりたい事」なんじゃないですか?」と伝えると、
そのための方法や学びを加速的に進めていかれたのです。
現在彼は、周囲から信頼の厚い組織長を務められています。

世の中にはウィルハラなんて言葉もあるようですね↓
「あなたのウィル(夢)は?」と詰められて返答に困っても、
私は「○○の夢/ミッションを全力で応援活動し、それを達成することが夢」
と堂々と話せばよいのです。

 

 

■「オタ活」と「推し活」のいい塩梅

私自身、常に「目標をたてて達成する」組織文化の中で育てられ、
目標を言葉にすることに慣れた(慣らされた)人間の一人です。
でも、いつもいつも「目標」を立てなければならないことに、
心がついていかない時ががあったことも事実です。

目標を明確に立てて進めたい時(オタ活)は率先して
周囲を巻き込むリーダーシップを発揮し、
誰かの「ありたい」を全力で応援して一緒に達成したい時(推し活)の際は
サーバント/フォロー型のリーダーシップを発揮していいのです。

あなたの組織では目標をもって進めることだけを重視しすぎていないでしょうか?
目標を応援する人を応援する活動にもスポットを当て、いい塩梅をもつことも
組織の成功循環になるのでは、と思います。