日々是Is'+ (アイズプラス代表 池照ブログ)

Is'+の視点による人事、キャリア、その他もろもろについての徒然 ver.1

無駄な仕事など一つもないと本気で感じたこと 

日経BP社ヒューマンキャピタルオンライン 
【池照佳代の人事・人材育成担当者が読んでおきたい本】コーナーに
新しい書評がアップされました。

今回は尊敬し、そしてそのお話の楽しさと現場感からすっかり
ファンでもある法政大学大学院の石山恒貴先生の書籍です。

越境的学習のメカニズム 実践共同体を往還しキャリア構築するナレッジ・ブローカーの実像 | ヒューマンキャピタル Online 

 

越境的学習のという概念自体、
キャリアを考える上では本当に大切なものととらえています。

ある企業でリーダー以上の方々のEQxリーダーシップ
開発プロジェクトを進めていました際、自分のこれまでの
経験に自信がもてないという方がいらっしゃり、この
「越境的学習」についてお話をしたことがありました。

難しい定義や概念というよりも、
会社で携わっている役割だけが仕事じゃないこと、
家庭での責任や社会で担う役割もキャリア(ライフキャリア)
としてとらえていくことができる、ことを
私自身の体験も交えてお伝えしました。

ある女性リーダーの方の最終セッションでの
発表がとても印象的だったのでご紹介します。

「これまで、家庭の仕事や育児、地域の役割も含め、
会社の中でも目立たない仕事をすることが多かった。
自分自身はそれらに意味や意義が見いだせなくて
意味のないことだと思っていた。

今回のプロジェクトで「越境的学習」や「複線的キャリア」
という視点を知り、池照さんがおっしゃてた
”無駄な仕事はない、無駄な仕事と定義しているとしたら
自分自身がそう定義している”
と言われて本当にその通りだと思いました。

確かに、無駄だと思っていた仕事(役割)のお陰で私
自身は成長しているし、信頼も得ている。そのことに
気づけて良かったです。これからはチームをマネジメント
する立場になりますが、それぞれの仕事に意味がある
と私から伝えてあげられるようにしたいです。」

と最後の発表で堂々とお話されたんです。
数か月前の自信なさげで、不機嫌さいっぱい様子だった彼女
とは一変していて周りがびっくり😲でした。

無駄な仕事等一つもありません。
それを無駄とするか、意味のあるものにするか、
もちろん周囲のリーダーやマネジメントの方の
考えは影響しますが、最後は
”自分がそれをどうとらえるか”につきるでしょう。

今回の石山先生の書籍は、企業活動を中心とした
「越境的学習」がもたらす意味と、そこに関わる方々
のキャリアの成長や影響をエビデンスとともに説いて
下さっている素晴らしい書籍です。
少々難しいんですが、、、(正直、院生時代を思い出し
ました)、自分のキャリアについて改めて考えて
見たい方、人の育成に関わる方には絶対におススメ
だな~っと。

そしてライブで先生の話を聞くとこれまたノリノリ
な感じも素敵なのです(先生、スミマセン)。