顧問を勤める製造メーカーでは、3年前からチームに入り、
人事制度改定プロジェクトに関わっています。
人事企画を担当するチームが存在しなかったこの企業では、
従来から総務や教育を担当されていたメンバーの皆さんと共に
プロジェクトを立ち上げ、制度改革をスタートさせました。
■人事ビジョンを描く
プロジェクトメンバーの方々と海老名、飯山にある事業所に
出向き、今年から本格的に発表・運用スタートする制度の全体像に
ついて説明会を実施。当初制度改革のお話をいただいた際、
トップの方に3年後にどんな状態や世界をつくるのか?を問いかけ、
徹底的に議論しました。
この議論から、以下3つの点をポイントにプロジェクトをスタート
させました。
- 3年後、既にある企業理念をベースに、MVV*等の基本概念をあらためて
見直し、人材を活かす全てのしくみの中心にして事業目的を達成する組織
になることを目指す - 3年後、自分達で関わり、つくり、言語化した人事制度の仕組みを自分達で
運用できるチームになる(コンサルが作った出来合いの制度にしない) - 3年後、社員がイキイキと働きがいを感じる組織となる。そのための制度、
文化、意識&行動づくりをする
*MVVとは
企業や組織のMission(使命)、Vision(ビジョン)、Value(価値/行動規範)
を言語化し、企業経営に活かすもの
■自分たちで運用することを目指して
3年後のビジョンを皆で共有し、実現し、かつ3年後に自分たちで
運用を進めるチームになるため、以下を段階的に進めてきました。
1年目には、社長も含め人事プロジェクトメンバーが毎週時間をとり、
人事制度の基本理論や事例を学びながら制度の骨格作りをしました。
2年目には、プロジェクトメンバーを3つのチームに分け
それぞれでしくみ・制度の作りこみを進めました。
・評価のしくみチーム
・等級報酬のしくみチーム
・採用教育のしくみチーム
そして3年目に入る今回、「制度改革の成果」として新制度をひとつにまとめ、
秋からの本格導入に向けて最終的なツールの作りこみや説明会に動き始めて
います。
■コミュニケーションの質と量
この3年で気を付けてきたことは、
コミュニケーションの質と量、現場の巻き込みです。
トップからの発信頻度を高め(コミュニケーションの量)、
企業理念や考え方について社内報や動画で発信する(コミュニケーションの質)、
各事業所のリーダー層が集まり、マネジメントカフェとしてみんなで解決できる
課題をディスカッションする場を継続してつくる(巻き込み)、
プロジェクトスタート時に全体のおよそ25%にあたる組織リーダー達を
対象にヒアリングを実施しプロジェクトに参加してもらう(巻き込み)
などなど、、、。
とにかく、現場を巻き込みながら
コミュニケーションの量と質のバランスさせていくことで、
現場の「当事者意識」を醸成し、制度やしくみは自分達のものである
ことを伝え続けています。
先日、2年以上前にヒアリングに参加した25%の社員の方々にあらためて
ヒアリングをする機会をいただきました。
・会社が変ろうとしていることを肌で感じる
・まだ人事制度の全体は見えていないが、着実に人間関係は向上している
・以前と比べ、一人ひとりが異見をもち、発言できるようになった
と、ポジティブな反応を多くいただいています。ですが、
一部まだ懐疑的な視点や期待を込めたコメントがあることも事実です。
さて、今年は3年目
これまで培ってきたものを現場の皆さんと頻度高くコミュニケーションして
磨き上げていくフェーズに入ります。
各地の説明会では、普段ライン業務に従事する
契約社員の方々からリーダー層まで、
外国人社員の方も多く多様な方々に参加いただいています。
「変化」に対しての反応はまだ様々です。
「変化」をポジティブに捉え、変化を楽しむ文化づくりをすることも
今回の挑戦の一つ、それには私達プロジェクトメンバー自身の
「変化」を楽しむ力が試されそうです。
そして、説明会も浸透策もまだまだ続く・・・楽しみます♪
説明会の様子
皆さん率直な感想やコメントをシェアし合っています↓
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