日々是Is'+ (アイズプラス代表 池照ブログ)

Is'+の視点による人事、キャリア、その他もろもろについての徒然 ver.1

ピグマリオン効果を活かす美容芸術短大授業3年目の挑戦!

私が山野美容芸術短期大学で教鞭をとり始めて今期は3年目となります。
やっと、やっと、やっとですが、EQや感情マネジメントを学生に伝えるにあたり、
私の伝えたい内容に近づいてきていると感じています。

私の仕事信条の一つは「同じやり方をしない」こと。
目的や目指すところは同じでも、毎回やり方やアプローチに工夫を重る
ことにしています。当たり前ですが、自分の言動が変ることで、
相手も違う反応を見せる、また検証して工夫するサイクルを回しています。

3年目となる今年、2つのことを工夫しています。
今日はその一つをご紹介します。

■「~べからず」だらけ 
授業は、社会で活きる力をつけるため、
自らが定義する美しく生きるためのの学びと
経験の場と時間と私は定義しています。
これを達成するためには、もちろん基本的なルールや規則も必要。
学生や関係者が多様になればなるほど、学校の規則は厳しくなりがちです。
特に、90%以上がオンライン授業である私の授業では、出席・欠席、遅刻・早退
などのルールの他に、オンライン上での画面の顔だし、イヤホンの装着、
○○分以上の顔だしがない場合の対応、、、など 公平さを保つばかりに
学校側からの資料もどんどん「注意事項」「~べからず」が増えていきます。

授業の冒頭に、基本的なルールを伝える時間を設けていますが、
このルールのスライド枚数が増え、今年は3枚もあります。
授業の最初にまずルールから入る、、、 わかっちゃいるけど、
教員としてもあまりいい気分じゃありません。

なぜなら、学校からの文書はどうしても、「~べからず」になるからです。


ピグマリオン効果

今年は授業スタート前に少しここを考えました。なぜここまでルールの行数が
増えたかと言えば、ルールを守らない学生が一定数いるから、ということです。
ですが、私が見る限り、多くの学生はルールを守り、むしろ授業運営に協力し、
積極的に参加しています。
ならば、この私がみた事実をそのまま学生に伝えよう!と考えたのです。

「○○しない欠席扱い」「○○はダメ」「○○べからず」・・・を辞め、
「いつもルールを守って授業参加してくださってありがとう」
「積極的な姿勢で授業運営に協力いただいているので、私たちも嬉しくためになる」
「皆さんの協力的な姿勢があるから成果も上がっているよね!」
と伝えるようにしました。事実をそのまま伝えることにしたのです。

事実をそのまま伝えることは、
ピグマリオン効果の活用になっています。
ピグマリオン効果とは、
教育心理学の用語で、他者から期待されると成績が向上する現象のことです。
過去に私のブログでも紹介しています→

isplus1.hatenablog.com



■これって「FES」

そして何が変ったか。実は変化を感じています。 
「感じている」というのは、今期はまだ終わっていないこと、
また、知識数やテストで成績をとる授業ではないため定量化が困難ですが、
課題の提出率、内容、レスポンスなどについて、ポジティブな変化を
「感じ取っている」のが事実なのです。

私だけでなく、授業を一緒につくるTA(Teaching Assistant)の先生方も
感じています。昨年までの学生達が出「できていなかった」訳ではもちろん
ありません、ですが、彼らが「できていたこと」をを伝えずにルールを伝えて
いたことは事実で、今となっては悔やまれるところです。

そして、
実際に私が伝えたのは、いつも私の講座でもお伝えしている
FES(FACT, EMOITION, SOLUTION/SUGGEST)だったりするんですよね。

  • 「いつもルールを守って授業参加してくださってありがとう」
    というFACT:事実
  • 「積極的な姿勢で授業運営に協力いただいているので、私たちも嬉しくためになる」というEMOTION: 感情・気持ちの表現
  • 「皆さんの協力的な姿勢があるから成果も上がっているよね!」
    というSOLUTION/SUGGEST :解決策や提案  

ピグマリオン効果は、視点に偏りがある、期待の定義が不明瞭などの理由から
一部に批判的な意見があることも承知しています。ですが、一つ言えることは、
誰しもが特徴やいい所をもっているという「事実」です。

この「事実」を起点に、感謝と感情を伝えることが、実際には相手の心を
動かす感動をともなった成果につながる!
今期の学生から教えていただいた大切な学びです 


普段はオンライン授業ですが、
毎年12月初旬には学校で授業を実施しています!