日々是Is'+ (アイズプラス代表 池照ブログ)

Is'+の視点による人事、キャリア、その他もろもろについての徒然 ver.1

ノーブルゴールの追求 ~父からのプレゼント~

「幸せになりなさい」

■仕事は楽しくできるのか

高校生の頃の私は、将来のキャリを決めつける父に反発し、
父ととはまともに口もきけない状態でした。
私の家族は台湾からの移民家族で私が幼少のころに
日本国籍帰化しています。父は日本で医師として働き、
家族を養い、育ててくれました。

外国人のルーツをもって日本で暮らすことの苦労を身に染みて
分かっている父は、「医師を目指す」」ことを私に強く期待します。
かけられる言葉は「何になりたいか?」という問いでなく、
「医師になりなさい」でした。
資格をもって働くことが、ここ日本で平和に暮らしていく唯一の方法と
常に言い聞かされました。まだ様々な差別や社会的困難が普通にあった時代、
それが、移民家族として家族を守るための最高のアドバイスであったことは、
子供だった私でも理解はできていました。ですが、私はまったく医師になる
気持ちがわかず、その一つの理由は、「仕事が楽しくなさそう」と
感じたことでした。
(子供の頃の私には、「楽しくなさそう」に見えたのです。現在、私の周りには医師という
仕事に誇りをもち、笑顔で周囲の方と働く
医師の方が沢山いらっしゃいます!)

大人になって仕事をするというのは、そんな苦しい
ことばかりではないはず、、、仕事ってもっと楽しくできるのではないか?
仕事が何だか分かりもせず、生意気にも私はそんなことを考えていました。
「仕事に楽しさを求めるものではない」当時の風潮や社会はそんな
時代だったことも確かです。それでも、私はそれが受け入れらなかった
のです。かといって、インターネットも情報もない時代、
「これになりたい」という主張や意思があるわけでもなく、
ただただ医師になることを拒み続けて反発する頑固な娘に、
父も手を焼いていたことでしょう。 ある日、小言を言い続ける
のにつかれた父がいつもの親子喧嘩の途中で私にかけた言葉が、
「幸せになりなさい」でした。

■自分にたてた「問い」 

米国シックスセカンズ社のEQコンピテンシーの一つに
『ノーブルゴールの追求』があります。
ノーブルゴールとは、”自分の人生の道筋となる目標”のことで、
ノーブルゴールの追求とは、”日々の行動の選択を自己の強く大きな目標と
結びつけること”を指しています。

ノーブルゴールというステキな言葉に最初に出会った時、こんな
ゴールを持てる人が世に増えたら、世界はどんなに素晴らしく変化するか
とわくわくしました。と、同時に私が感じたのは
「そんな崇高なゴールをもっている人が羨ましい」でした。
誰からみても人を魅了するようなかっこいいゴールは私にはすぐ
思い浮かばず、冷静に考えても思い出すことすらできません。

それでも、時々自分なりに振り返り、
自分の行き先や目の前の選択を想い、迷う時間があります。
そんな時に浮かんでくる言葉は、父に言われた「幸せになりなさい」
を質問にした「私は幸せか?」でした。
決してかっこいい言葉ではなく、頑固な娘の姿との喧嘩の途中で投げられた
その言葉は、ずっと私の心に残り、ずっと私の「問い」になっている言葉です。
決して崇高でもなく、個人的な体験から私だけに向けられるものですが、
「幸せに仕事ができているか?」と自分を振り返ることができる
”自分の道筋となる”ことは確かなのです。

 

■父からのプレゼント

結局私は父からのアドバイスを聞き入れず、父が望んだ医師に
なることはありませんでした。それどころか、「ここではないどこか」
という妄想を勝手に膨らませ、高校卒業後はアメリカに渡り
当時はまだ誰もが説明もできないコンピュータープログラミングを学びます。
当時は米国在住の親戚も、「コンピューターなんて聞いたこともないもの、
わざわざ留学してまで勉強するものじゃない」と大反対でした。
それでも、両親は強情な私を理解してか、その選択を支援し、
私は無事に学校を終えて帰国します。

その後、家族の中で初めてのビジネスの世界に飛び込みました。
家族親戚とは異なる世界に飛び込んだ私でしたが、
現在私は自分で選択した働き方と仕事に就き、毎日仲間と切磋琢磨
しながら自ら行動を起こして幸せに仕事をしています。

私たちは毎日数多くの行動の選択をします。
ご飯のメニューを選ぶちょっとした選択から、人生を決めるような大きな選択
までその幅は様々です。自分と周囲との関係に関わるような日々の行動選択の際に、
自分がゴールとするものや自分自身にたてた「問い」を思い浮かべてリンクさせて
いくことが「ノーブルゴールの追求」です。ゴールに到達することでなく、
あくまでゴールとする姿や「問い」を追求する過程のことを言っています。
かっこいい言葉でまとまっていなくても、自分だけのノーブルゴールを
もつことは人生をちょっと豊かにするためのノーブルな(貴重な)プレゼント
だと私はとらえています。 そんなプレゼントを、私は随分と前に
父からもらっていたようです。 

現在、父は私の仕事を認め、応援してれています。彼にとっては、
未だ何をしているかよく理解できない仕事ではありますが、少なくとも
「楽しそうに、幸せそうに」仕事に就いていることは伝わっているようです。

自分のノーブルゴールが分からない、見つけられないという方から
よくご相談をいただきます。無理に見つけることよりも、
どんな「問い」や「声」が自分の中に沸き起こるか?
そんな声を、自分自身から聞き出す時間を丁寧にとってみるのも
一つの方法ではないかと思っています。   

今日は父の84歳の誕生日です 
ずっと元気で笑顔でいて欲しい大切な父です 感謝と尊敬を込めて。

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